2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500688
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石垣 健二 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20331530)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 間身体性 / 身体的対話 / 身体的経験 / 身体的な感じ / 身体的な「われわれ」 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,体育(身体教育)およびその他身体運動によって育成される「間身体性」を解明することである.「間身体性」とは,端的に述べるならば,身体的に「他者をわかる」ということを可能にする身体の働き(身体作用)であり,それら複数の「身体作用」が構造化されたその総体としてとらえられるだろう. 本研究課題にかかわる本年度の研究成果として,次の論文が公表された.「身体的経験」および「身体的対話」の領域:「間身体性の教育」としての学校体育再考,体育学研究,59-2.本論文は,「身体的経験」と「身体的対話」の領域を明らかにすることによって,「間身体性」が育成されるその条件を示そうとしている.というのも,体育学においては,永らく「身体的経験」の重要性が論じられてきたが,その経験が「身体的」であるということの意味を無自覚に前提してきた.体育学はその「身体的経験」がいかなる領域であるのかを問うとともに,そこにおける他者との「身体的対話」のなかで何が生じているのかを検討する必要があった.結果として,「身体的経験」や「身体的対話」は,「身体的な感じ」を中核としたそれとなること,そしてそのなかで「身体的な感じ」としての「われわれ」すなわち「間身体性なわれわれ」が成立するプロセスが明らかにされた. また本年度の研究成果としてあげられるのは,体育哲学の研究者に「体育学における『間身体性』の問題領域」について批評を受けたことである.「間身体性」の問題領域は,次の5点に整理できる.①「具体的な他者の身体運動」に関わる問題,②「抽象的な他者の身体運動」に関わる問題,③体育学における「間主観性」批判,④「他者の身体運動をいかにして論じるか」という問題,⑤「『身体(的)』という視点から問う」とはいかなることかという問題.当該研究者には,これら問題領域の妥当性についておおむね了解が得られる結果となった.
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Research Products
(1 results)