2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500711
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木島 章文 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10389083)
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Keywords | 歩容 / 視線 / 個人間協応 |
Research Abstract |
○実験系の設定 一定以上の面積を有する実験室を確保し,名古屋大学より借入た赤外線式3時限動作計測システムをここに導入した.また足圧ー視線拘束信号呈示器の作成に取り組み,遅れの主要因であった無線通信に関する技術問題を解決した.H25年度上半期には当器材を整備する. ○実験 概要:すれ違う2者が意図せず相手の進路を塞ぐようにステップを踏んでしまう事態が,踏出し足の選択および踏出しタイミングに誘発される可能性を検討した.4ペアの参加者が互いに1.5歩離れた場所で真正面に向かい合い,実験者の合図で,事前に指定した足で一歩直進;次の一歩ですれ違わせた.すれ違う方向は各参加者のその場の判断に任せた.参加者間の直進足の組合わせを各々左右で4通りとした.両者が相手と対側の足で直進した場合,両者がオープンステップですれ違うことを試みることで,その後の一歩で衝突することを期待した.本研究の目的は,初期の試技から終期の試技にかけて,この衝突がいかに解消されていくかを検討することであった. ○主な結果:事前に想定した通り,各ペアともに対側足で踏出す条件において衝突あるいは次の一歩の踏出しを躊躇する状況が見られた.ただしこの状況が実験終盤まで継続されることはなく,主に両者の役割(オープンステップとクロスステップ)分担を通して,早期に衝突を回避する傾向が見られた.実験中に参加者の発話を一切禁じていたことから,この分担は初期の数試行において非言語的に整備されたと考えられる.現在,早期の試技を中心に参加者の身体部位の3次元解析を行い,この分担過程の把握を試みている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
センサ作成の技術的問題ならびに実験室確保が困難であったことが主な原因である.早期にセンサの問題を解決し,今年度上半期の導入を試みたい.
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Strategy for Future Research Activity |
数ペアの参加者を募集し,同様の試技に関しておよそ10ペア分の追加データを得る.ここからすれ違い歩行における分担形成過程を検討し,単一の成果として投稿する.次にこの過程に対して視線拘束が及ぼす効果を検討し,各年代の参加者の連携に及ぼす効果を確認していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
器材として,反射マーカの追加購入費(借入器材を名古屋大学に返却するため),視線拘束器材を計画している.旅費として成果口頭発表(国内),成果論文発表(国外:掲載料・抜刷代金),それぞれに係る金額,謝金として,すれ違い実験(現行の追加実験)の参加者・協力者への謝金,視線拘束の効果に関する予備実験の参加者・協力者への謝金を想定している. なお平成25年度への繰越金は,当初は平成24年度に開発完了が見込まれていた足圧-視線拘束信号呈示器の作成・購入に充てる.
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