2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500711
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木島 章文 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10389083)
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Keywords | 歩行 / 対人協応 / 視線 |
Research Abstract |
対面歩行する2者の母指球あるいは踵に圧センサスイッチを付着し,各者の額に付着したLEDを点灯させることによって,各者におけるセンサの出力を相手に呈示した.あらかじめ頭部側方揺動に関する位置-速度位相平面を観察した結果,各者同側の母指球接地と踵接地間の時間ズレが,1歩行周期に対して90°となることを確認した.センサの位置を各者の母指球あるいは踵へと変更することにより,両者の歩行動作を0°(対面する2者の対側の踵あるいは母指旧接地でLED点灯),90°(1者の踵に対してもう1者の対側母指球接地でLED点灯),180°(2者の同側の踵あるいは母指旧接地でLED点灯),270°(1者の踵に対してもう1者の同側母指球接地でLED点灯)で同期させた.4つの各条件下で歩行周波数を変化させ,各同期パターンの頑健性を確認した結果,90°と270°の位相ずれを伴う同期パターンが,他の2つより不安定であった. 従来の歩行の個人間協応研究においては,個人内の四肢間協応と異なり,必ずしも同相あるいは逆相で安定同期することはないといった知見がある.しかしこれらは対面状況での協応に関して確認されたわけではなく,2足歩行の円滑なすれ違いに必ずしも適用できない可能性がある.H26年度おいては,この予備実験結果をもとに,ヒステリシス効果を確認できるよう事件を再計画している.早期にデータを収集し,学会発表・論文投稿を完了する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空間的問題に関しては比較的簡単に目的とする効果が得られることがわかり,本年度から検討課題を時間的要因に関するものに絞った.これにより実験あるいは論文公表する内容が絞られ,実験作業が迅速化した.また最終年度に計画していた器材作成が既に完了に近づいており,基礎的な研究成果の発表の後に,円滑なすれ違いならびに「お互いとおせんば」を一般的な公開場(公開授業など)でシミュレートできると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
LED発光に加えて歩行イベントを音で出力する器材開発を付加する.これにより,より簡易な対面歩行協応の拘束器材を開発できるものと思われる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
対面歩行協応の時間的側面に関する検討に絞った結果,申請当初に計画した,H25年度においてセンサつきの歩行路を含む大規模実験系の作成が不要となった.さらに現段階で既に,申請当初は最終年度に計画していたセンサの小型化・携帯化に成功したことから,当該実験系は今後も不要と見通している. H26-27年度の成果公表(例えば,PLoS等への論文掲載料もしくは海外学会での発表費用),幼児・高齢の実験参加者に対する実験環境の整備(例えば補助的に視覚刺激を呈示する実験系作成),視覚だけでなく聴覚入力も指向したセンサの改造(既に設計を終えH26年度経費で作成準備中)に充てる予定である.
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