2013 Fiscal Year Annual Research Report
スキー実滑走時模擬振動発生源シミュレータの開発とスキー滑走機構解明の基盤構築
Project/Area Number |
23500726
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩野谷 明 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50187332)
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Keywords | スキー実滑走 / 模擬振動 / 発生源シミュレータ / スキー滑走機構 |
Research Abstract |
平成25年度は平成23~24年度までの結果を受け、年度当初の予定に修正を加え、これまでのスキー実滑走時模擬振動発生源シミュレータとは異なるコンセプトのシミュレータの開発を行った。これまでのシミュレータは、スキー滑走同様斜め方向への自由落下(等加速度条件)を滑走源としたが、当該年度に開発したシミュレータでは、スキーヤーを想定した雪塊をモータによってけん引することで滑走させるため等速度条件となり、より厳密な速度条件下での振動の影響について検討することが可能となった。このシステムにより、スキー板の強制振動を暴露しない条件(0Hz)では滑走速度と動摩擦係数の関係は正の相関関係(速度の上昇に伴う動摩擦係数の若干の増加)がみられた。しかし、統計的に有意な関係ではなかった。これに対して、250Hz前後の振動をスキー板に暴露したところ、滑走速度と動摩擦係数の関係は、統計的に有意な負の相関関係(速度の上昇に伴う動摩擦係数の明確な低下)が認められた。これらの結果特にスキー板の強制振動を暴露しない条件での結果は、アモントン・クローンの法則に従い、動摩擦係数は速度に依存しない、あるいは速度の上昇に伴う動摩擦係数の若干の増加は垂直抗力に比例するクローン摩擦ではなく、粘性摩擦が高くなった可能性を示唆する等、今後のスキー滑走理論解明に興味深い結果が得られている。特に後者の粘性摩擦については、雪の融解につながる可能性も示唆すると考える。以上の結果を踏まえ、年度当初の予定に従い、500~1000Hzといった高周波の振動暴露実験および粘性ダンパーを用いたスキー板の実滑走実験を行い、現在(H25.4.30現在)解析を進めている。最後に、当該研究期間の成果を以下のとおりまとめる。①スキー滑走時の高い周波数の振動が滑走速度を増加させる②滑走メカニズムとして雪の融解も依然とひとつの有力な説である 以上である。
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Research Products
(5 results)