2012 Fiscal Year Research-status Report
日本,ならびにケニア長距離選手の筋腱複合体の形態・機能に関する比較研究
Project/Area Number |
23500729
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小田 俊明 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10435638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (20513881)
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Keywords | 国際情報交換 ケニア |
Research Abstract |
本研究は,日本とケニアのジュニアと成人の長距離選手を対象に,下肢における筋と腱両組織の形態,ならびに生理・力学特性を計測 し,その発達過程の人種差と競技パフォーマンスの変化との関連について検討することを目的としている.本年度においては,特に以 下の2点について研究を遂行した. 1) ケニアの陸上競技コーチの協力を得ることで,ケニア選手権出場レベル15名のアスリートの測定をナイロビ郊外にて実施した.前回のケニアにおける測定において実施した形態,筋腱の形状特性,ランニングフォームに加え,測定システムの改良・開発を行うことで筋と腱両組織の力学的特性の計測を行うことができた.これまでケニア長距離選手の筋腱の力学的特性についての報告は皆無であり,オリジナリティの高いデータを取得できたと考えている. 2)男子高校駅伝 上位入賞校のジュニア選手約50名 を対象とし,上記ケニア選手と同様の測定を行った.また,大学・実業団における成人選手につ いても測定日程を確定した. これらの研究を通じ,日本,ケニアに共通して競技パフォーマンスの高い選手は,特徴的な筋と腱の力学的特性をもつことが明らかとなった.一方,日本とケニアの両選手間で差異のみられる因子も見つかっている.現在,分析が終了したものから順次,国内外の学会ならびに専門誌に投稿中,ならびに投稿準備中である.得られた知見は陸上競技のみならず持久力を 必要とするスポーツにおけるタレント発掘,トレーニング手法の改良・開発の基礎資料として貢献することが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケニア シニア選手,日本ジュニア選手において競技力の高い選手の筋と腱の力学的特性,ならびに運動時の筋腱相互作用に関する実験計測を終了することができたことは評価に値すると考える.これらの結果の一部が既に国際誌に受理されるなど(Sano et al. 2013)アウトプットに関しても順調でありこの評価とした.その他の測定項目においても,概ね順調に測定を重ねることができ,予定通りの進行である.一方,本年度には日本のシニア選手の測定を行うことが困難であった.しかし,調整の結果,測定に協力いただける団体と25年度における実施時期について確定することができた.個々の分析結果をまとめる作業を通じて,全体としての考察を進める準備も十分に整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の様に概ね順調に研究を進展しているため,大きな計画変更は必要ないと考える.本年度は,日本のシニア選手の計測と,結果のまとめが主たる活動内容となるため,6月までに測定を終了し,その後はまとめの作業に充てる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の2月において実施したケニア ナイロビ近郊への測定旅費として研究費の大部分があてられる.また,上記の日本のシニア選手の計測のための旅費ならびに消耗品の購入に残りの研究費が使用される計画である.
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Research Products
(9 results)