2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域振興のための自律型スポーツクラブの経営モデルの構築
Project/Area Number |
23500758
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 竹男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00445868)
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Keywords | スポーツによる地域振興 / スポーツクラブ経営モデル / スポーツマネジメント |
Research Abstract |
1993年にJリーグが開幕し、2014年からは新たにJ3が創設され、36都道府県、51のクラブが属するプロサッカーリーグとなった。本研究では、Jリーグクラブの持続的な成長に求められる要因を明らかにする事を目的とした。 Jリーグクラブの持続的な成長に求められる要因として「収入に対する人件費比率を適切なバランスに保つこと」、「企業業績に影響を受けやすい広告料収入や、小規模なJリーグ配分金への依存はリスクが伴うため、入場料収入を基盤とした上で、広告料収入を増やすべきであること」が示唆された。また、アウェイクラブの人気、強さが観客動員数に影響することも明らかとなった。全国区で人気のあるクラブがアウェイチームの集客に貢献し、そのようなクラブを利用したクラブ経営について、リーグ全体として取組むことが重要であり、また、価格変動型のチケット制度の導入も有効であると考察された。 そして、移籍金が発生しないユース選手の育成は、地元ファン獲得を推進し入場料収入を増加させるだけでなく、「育てて売る」際には移籍金収入の獲得にも繋がるため、重要な要素である。本研究より、Jリーグクラブ全体のユース出身選手の割合が増加し、2002年度から2010年度にかけて戦力要因となる選手に占めるユース出身選手数(YDI)の全クラブ平均の上昇が明らかとなった。その中でも、G大阪(74%)、ジェフ千葉(71%)、広島(68%)がYDIに占めるレギュラークラス率の高いクラブであった。しかし、Jリーグ全体では戦力要因として活躍できていないユース出身選手数も増加しており、ユース育成に関する今後の課題であると言える。 今後、各クラブが戦力要因となるユース選手の育成や、人件費比率の最適化や入場料収入を基盤とした収益構造作りを行い、また、リーグ全体として全国区で人気のあるクラブを使った経営に取組むことが持続的な成長に繋がるのである。
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