2013 Fiscal Year Annual Research Report
摂取水分の温度と量が体温・循環調節反応に及ぼす影響
Project/Area Number |
23500769
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
小倉 幸雄 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00300301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
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Keywords | 飲水温 / 水分補給量 / 直腸温 / 発汗量 / 脱水 |
Research Abstract |
高温下長時間運動時の摂取水分温度が飲水量および体温・循環調節反応に及ぼす影響を明らかにするため,大学陸上競技部に所属する男子学生11名を被験者とし,環境制御室内(気温32℃・相対湿度60%)で15分間の運動(1・3・5セット目がトレッドミル走,2・4セット目を自転車運動)と5分間の休息を5セット連続的に負荷した.各休息時に実験日ごとに設定された同一水温(5℃,15℃,25℃)のミネラルウォーターを自由飲水させ,その飲水量を測定した.実験中,直腸温(Tre),3部位(胸・上腕・大腿)の皮膚温(Tsl),心拍数(HR)を連続的に測定し,休息時に口渇感,全身温冷感,飲みやすさを申告させた.さらに,平均皮膚温(Tsk),平均体温(Tb),総発汗量,飲水率,脱水率を算出した.実験前後には,尿比重を測定した.トレッドミル走・自転車運動の運動負荷強度(km/h・watts)は,予備テストでHRがそれぞれ140,130拍/分になるように設定した. その結果,HRは,運動開始15分間で徐々に増加し,その後の休息で低下する変化パターンを繰り返したが,摂取水温条件間に有意な差はみられなかった.Treは運動開始から終了時までほぼ直線的に増加し,Tbもほぼ類似の経時変化を示したが,Tre,Tb,Tsk,には摂取水温の影響は認められなかった.また,総発汗量,脱水率,全身温冷感,口渇感,尿比重に有意差はみられなかった.しかし,飲水率は5セット終了時までの累積値で,25℃条件が15℃条件より高い傾向だった.なお,水の飲みやすさは,4・5回目の休息時に25℃が15℃飲水より飲みにくい傾向を申告した. 以上の結果,摂取水分温度の相違は高温下長時間運動時における体温・循環調節反応には影響しなかった.これは,25℃摂取が15℃や5℃摂取より飲水量を増加して低水温の物理的冷却効果に対抗したためと推察される.
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Research Products
(1 results)