2014 Fiscal Year Annual Research Report
動体視力の定量化と科学的根拠に基づくビジョントレーニング法の確立
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23500785
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
工藤 大介 順天堂大学, 医学部, 助教 (50348950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 雄介 名城大学, 理工学部, 助教 (00508252)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 動体視力 / スポーツビジョン / 眼球運動 / BDNF / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
科学的根拠に基づくビジョントレーニング法の開発を目的として、トレーニング効果を評価する際の定量的指標(バイオマーカー)の導入の可能性について検討した。指標としてBDNF(Brain-derived neurotrophic factor;脳由来神経栄養因子)に着目した。自作の動体視力測定装置と解析プログラムを用いて動体視力を測定、トレーニングの前後で被験者から採血し、血清、血漿BDNF濃度を測定し。トレーニング前後での血清、血漿BDNF濃度の変化及び動体視力測定結果との相関を調べた。結果、トレーニング前後での血清および血漿BDNF濃度は、血清では増加したが、血漿BDNF濃度は減少し、統計的にも有意であった。動体視力との有意な相関は認めなかった。過去に、同一被験者の検体で血清と血漿のBDNF値がトレーニング前後で乖離した測定結果を示した報告はなく、本報告が最初のケースである。(第119回日本眼科学会総会発表;2015年4月)トレーニング前後で変化することから、BDNFはビジョントレーニング評価のバイオマーカーとして利用出来る可能性があることが明らかになった。まだBDNFの由来、役割等は未知の部分が多いが、眼球運動という軽度の運動強度でなぜこのような変化が生じるのか、またBDNF濃度が上昇すると動体視力、眼球運動はどのように変化するのか。被験者のバリエーションと数を増やし、測定条件を変化させて検討することで、今後、ビジョントレーニングやBDNFについての新しい知見の発見に繋がる可能性がある。
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