2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢ドライバーの運転動機に基づいたリスク回避行動の理解と遂行促進
Project/Area Number |
23500793
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮崎 章夫 茨城大学, 人文学部, 教授 (90312769)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | リスクテインキング / 高齢者 / ドライバー / 交通事故 / 動機 / 安全運転教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画の最終年度に当たる平成26年度は、平成25年度までの研究成果を踏また本格的調査を実施し、調査成果をドライバー教育の現場に還元することを目的とした。 まず、動機の異なるリスクテキング行動(RTB)を多面的に測定する尺度(動機別運転リスクテインキング尺度)を新たに開発し、高齢ドライバーが敢行しやすいRTBの特徴とその動機を定量的に調査した。18-24歳、39-49歳、65歳以上の3群、計624名を対象としてweb調査を実施した。 その結果、スピードを追い求めることにより生じるRTB(スピード希求型)と、他車からの圧力から逃避するために生じるRTB(他車逃避型)の存在を確認することができた。交通事故との関連性に注目すると、過去に事故経験のあるドライバーは、これら二種類のRTBをいずれもよく敢行する特徴を持っていた。つぎに年齢との関連性に注目すると、二種類のRTBは異なる年齢的特徴を持つことが明らかになった。スピード希求型は若者男性が示しやすく、加齢に伴い減少する傾向があった。それとは異なり、他車逃避型には明確な年齢差が認められなかった。つまり高齢男性は、若者男性と同じくらい他車逃避型RTBを示す性質があった。この結果から、他車逃避型は高齢ドライバーにおいても対策が求められるRTBであると考えられた。 研究成果を踏まえた実践活動として、ドライバー教育を職務とする自動車教習指導員に対し、これまでの研究成果を講義した。その後に、他者逃避型RTBを防止するための方法を指導員と共同で検討した。ブレインストーミング型の集団討議を通して、他車逃避型RTBを防止するための様々な助言・指導内容が提案された。これらの提案は「知識・態度の形成」、「安全スキルの向上、「自己理解の促進」という3つのカテゴリーに分類できた。 以上の研究成果は学会発表を行った後に、4本の論文として発表した。
|
Research Products
(3 results)