2011 Fiscal Year Research-status Report
学校保健的見地から捉えた青少年の半健康様相と変動規定要因に関するコホート研究
Project/Area Number |
23500803
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山崎 秀夫 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50137022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 孝恵 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00321860)
檀原 三七子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30432743)
迫山 博美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40611059)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 半健康 / 青少年 / 学校保健 / 変動要因 / コホート研究 |
Research Abstract |
これまで科学研究補助金を受けて展開してきた研究において明示した半健康の概念について、日本公衆衛生学会誌、民族衛生、学校保健研究、行動計量学、Journal of Environmental Information Science、Journal of Epidemiology、Health Promotion、16th General Meeting on ISOLS2011、3rd International Conference on MINES2011等から、最新の健康関連の知見を整理し概念の内包要素を再検討した。特に、一次予防の細分化による感受性期における健康状態の取扱いと半健康概念の導入との理論的整合性について有用な知見が得られた。 多次元空間構造上の構成尺度の視点から、半健康の評価尺度について再検討を加えた。研究代表者の展開してきた横断的研究における半健康評価手法が、時系列分析を勘案することにより縦断的研究に適用可能であることを確認した。今年度は予備調査等を実施し評価要素を絞り込んだ。半健康47項目を中核として、半健康の状態的変動に影響する要素群の内容を精査した。その結果、対象属性的項目、身体適性項目、意識・行動項目、生活スタイル項目(課外活動、読書、テレビ視聴等)を、本調査質問紙に含める必要があることが判明した。また、コホート設定におけるキーパーソンとの連絡調整を図った。そして、その協力を得ながらコホート構成に着手した。生徒等が日常生活を送る地域特性として住民組織との関係性について、公開情報・ヒアリング等により検討を加えた。さらに、学校保健における健康管理システムへの半健康評価の導入について吟味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、本研究課題の初年度にあたり、半健康概念の再吟味、半健康評価手法の検討、半健康関連要因の検討についての展開がその中心的内容であった。現在までのところ、これらの検討課題については、概ね達成できていると評価している。特に、予備調査を実施し、青少年に特有の半健康状態変動に影響を及ぼす要因について、絞り込みが達成できた。当該年度の全体的自己評価としては、「おおむね順調に進展している。」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、コホート設定に関わる条件(コホート特性、規模、地域環境等)を再吟味し、可能な限り疫学的マッチングの適用を試みる。さらに、コホート本調査1年度目において、青少年版半健康調査票(自覚症状、不定愁訴、生活行動、地域環境要因、身体適性、ストレス、課外活動等の内容を含む)を用いて、半健康調査を実施する。想定される問題点として、コホート側の諸事情による調査実施時期の相違、センサードケースの規模とそれへの対応等が考えられるため、コホート設定に関わるキーパーソンとの連絡・調整を綿密に執り行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度については、80万円の直接研究費助成を申請しており、物品費として30万円、旅費として50万円を支出する計画になっている。物品費としては消耗品での執行を予定している。また、旅費としては、コホート設定に関わるキーパーソンとの連絡・調整を行うための執行と、国内外における半健康関連の学術情報を得るための学会等での活動に関わる執行を計画している。なお、分担者計3名の予算については、物品費総額30万円の内、各5万円、計15万円の執行を計画している。本年度行う予定であった学校保健と地域保健の連携についてのキーパーソンとなる市町村保健師に対する調査(半構造化面接・質問紙調査)を行わなかったため未使用額が生じた。なお、これらは次年度に実施することから、物品費(調査用用紙等)として充てる。
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