2013 Fiscal Year Research-status Report
学校保健的見地から捉えた青少年の半健康様相と変動規定要因に関するコホート研究
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23500803
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
山崎 秀夫 浜松大学, 健康プロデュース学部, 教授 (50137022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 孝恵 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00321860)
檀原 三七子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432743)
迫山 博美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40611059)
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Keywords | 半健康 / 青少年 / 学校保健 / 変動要因 / コホート研究 |
Research Abstract |
これまで科学研究補助金を受けて展開してきた研究において得られた知見を、46th Annual Society for Epidemiologic Research Meeting、23rd Conference of the Asia Pacific Association for the Study of the Liverで学術発表を行い、国際的な議論を展開しながら、これまでの研究成果を世に問うた。さらに、第40回日本小児栄養消化器肝臓学会、第37回皮膚脈管・膠原病研究会等の議論から、今後の研究手法的な見通し等について検討を加えた。こうような議論を通して、最新の健康関連の情報を収集・整理し、第一次予防の段階的様相分割と疾病の自然史における感受性期との概念的整合性に関わる有用な知見を得た。 多次元空間構造上の構成尺度の視点から、青少年における半健康の評価尺度について再検討を加えた。研究代表者の展開してきた横断的研究や今年度までに展開してきたコホート研究における半健康評価手法が、時系列分析を踏まえることにより縦断的研究に適用できることが確認できた。今年度は、基本的に昨年度展開した方法・内容を縦断的な視点から適用した。具体的には、中核項目である半健康47項目に、対象属性的項目、行動体力項目、意識・行動項目、生活スタイル項目(読書、テレビ視聴等)を含め調査を実施した。青少年(生徒等)が日常生活を送る地域特性として住民組織との関係性についてヒアリング等により検討を加えた。さらに、学校保健における子どもの健康管理システムへの半健康評価の導入について情報収集を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、本研究課題の3年度目にあたり、青少年の半健康状態に関わるプロスペクティブなデータを得た。研究初年度目に検討を加えた半健康に関わる概念・評価手法・関連要因等の結果を踏まえながら、2年度目の研究展開から得られたベースラインデータとの比較検討が可能になった。今年度は、基礎分析として、半健康指数に基づくベースライン時点での半健康状態の分布状況について検討を加えた。さらに、スクリーニングテスト的な視点から疫学的諸指標の算出を試みた。 結果として、青少年における半健康分布は約13%を示すことが明らかになった。また、敏感度(約89%)、特異度(約84%)、陽性反応的中度(約46%)、陰性反応的中度(約98%)が同定された。このような疫学的諸指標から、半健康指数に基づくスクリーニングテスト的な解析の有用性が示唆された。さらに、縦断的解析の視点から、半健康状態変動に関わる規定要因について分析を展開している。 本研究課題の現在までの達成度は、総合的にみて「おおむね順調に進展している。」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、半健康状態の量的変動を基盤にした分析が焦点となる。半健康の状態量的変動を特定し、ベースラインとエンドポイントの比較検討に主眼が置かれる。次年度が本研究課題の最終年度にあたることから、青少年における半健康様相の変動に関わる傾向性を解明し、その変動に関与する要因の特定、それらの要因の影響性を評価する計画である。ベースラインデータとエンドポイントデータが得られることで、本研究課題の最終目的である「青少年における半健康様相の変動とその規定要因」に関わる解析が可能になる。特に、今年度の研究展開の過程(多変量解析の適用)から推定された健康・生活に対する意識・行動要素と生活スタイル要素の半健康様相に対する影響度を、エンドポイントデータを扱いながら同定していく予定である。 最終年度として、本研究課題の目的達成と総括を行うことになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の「物品費」の執行に当たり、希望物品が4月以降にバーアジョンアップされることが判明したため執行を見合わせたことにより、次年度使用額が生じた。 次年度、当該物品のバージョンアップ情報を収集し、それを確認した後、速やかに予算執行を行う計画である。
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