2014 Fiscal Year Annual Research Report
学校保健的見地から捉えた青少年の半健康様相と変動規定要因に関するコホート研究
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23500803
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
山崎 秀夫 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (50137022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 孝恵 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00321860)
檀原 三七子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432743)
迫山 博美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40611059)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 半健康 / 青少年 / 学校保健 / 変動要因 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、3ヶ年追跡したコホート研究の結果から、(1)半健康状態の変動規定要因、(2)変動パターン、(3)変動予測モデルについて検討を加えた。半健康様相の状態的変動規定要因として、生活の規則性・身体活動の活発性・テレビ視聴・読書状況・携帯スマフォ使用状況が抽出された。変動パターンとして、ミクロ変動パターンの抽出が可能になり、青少年層におけるミクロ変動の特徴として、調査点の状態量プロットにおいて描かれる曲線の振幅(調査点間の落差)の大きいことが判明した。マクロ変動パターンとしては、調査点の数の問題で明確なパターン抽出は困難であったが、状態量プロットにおける変動基軸の方向性(上方向・下方向)の傾向性の推測が可能になった。さらに明確な傾向性を特定するには、ディケイド単位の追跡データの蓄積が必要であることが指摘された。変動予測モデルは、目的変数として半健康状態量、説明変数として生活規則性・身体活動性・テレビ視聴・読書状況・携帯スマフォ使用状況を組込んだモデルを導出することができた。 本研究課題における知見は、疾病の自然史に基づく感受性期の細分化の必要性を指摘するもので、研究の意義はその点に集約されるものと考える。現代人の健康状態的特性は死因構造を繙くまでもなく、非感染性疾患の蔓延にあり、対象年齢層(青少年・成人・高齢者等)に捕われない半健康状態の追究を可能にした点に本研究課題の重要性が存している。特に、コホート構成の研究デザインからのデータ解析により、青少年における半健康様相への影響要因はほぼ3年単位で安定的に把握可能であることが指摘された。学校保健的観点からみて、本研究課題から導出された半健康予測モデルを学校種別単位での健康管理システムへ導入することにより、青少年の感受性期のより積極的な健康管理が実現できることが示唆された。
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