2014 Fiscal Year Annual Research Report
精神科リハビリテーションにおけるスポーツ活動の有効性-生理的ストレス反応の評価-
Project/Area Number |
23500815
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中村 恭子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90365560)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広沢 正孝 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60218831)
細見 修 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30134274)
山倉 文幸 順天堂大学, 医療看護学部, 特任教授 (20053358)
鈴木 利人 順天堂大学, 医学部, 教授 (10196850)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 精神科リハビリテーション / 統合失調症患者 / ダンス系運動プログラム / 運動強度 / 生理的ストレス反応 / 心理的ストレス反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症患者と一般成人を対象とした歩行運動の心理的・生理的ストレス反応の研究(中村ら2014)では、患者・一般成人ともに中強度の歩行運動で快感情やリラックス感が増加し、不安感が減少、クロモグラニンA値やコルチゾール値が減少したことから、精神的ストレス軽減効果が確認された。患者は一般成人より運動前から不安感が有意に高いとともに、α-アミラーゼ値やクロモグラニンA値が有意に高く、運動後のアミラーゼ値の増加やクロモグラニンA値の減少が著しかった。また、患者は一般成人より体力が低い(中村ら2012)ため、中強度の歩行運動が身体的ストレスとなる可能性もあり、さらなる検証が課題となった。 そこで最終年度には、統合失調症患者4名を対象に運動強度・難度の異なる6種類のダンス系運動を各20分間、実施日を変えて3回ずつ実施し、運動前後に心理テスト(ポジティブ感情尺度MCL-S2、STAI状態不安検査)、生理的ストレス反応(α‐アミラーゼ値,クロモグラニンA値,コルチゾール値)、運動強度(METs,%HRR)を測定して効果を比較検討した。その結果、微細運動のフェルデンクライス・メソッドATMは快感情・リラックス感が有意に増加し、状態不安が減少、コルチゾール値やα-アミラーゼ値が有意に減少するなど、多くの指標において効果があり、統合失調症患者の精神的・身体的ストレス軽減に有効であることが認められた。これに対し、中強度のフォークダンスやエアロビックダンスでは快感情の向上、状態不安の減少、コルチゾール値の減少が確認され、精神的ストレス軽減につながる可能性が示唆された一方で、α‐アミラーゼ値が微増傾向にあり、体力の低い患者には身体的疲労が緊張や不安につながる可能性も伺えた。患者のリハビリテーションとして、精神的ストレス軽減を促しつつ、運動量を確保して体力を高める運動プログラムの開発が今後の課題である。
|
Research Products
(3 results)