2011 Fiscal Year Research-status Report
在日外国人学校における地域連携を軸とした安全教育プログラムの開発
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23500822
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Research Institution | Tokoha Gakuen University |
Principal Investigator |
木宮 敬信 常葉学園大学, 造形学部, 准教授 (20288400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 芳雄 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (00578859)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 防犯教育プログラム(ブラジル) / 地域連携 |
Research Abstract |
在日ブラジル人学校における安全教育の現状についてヒヤリングを行うとともに,浜松市のブラジル人支援団体の協力のもと,保護者等にも家庭や地域における安全教育の現状についてヒヤリングを行った.その結果,防犯に関する教育については,日本の公立小学校や日本人家庭に比べて,あまり行われていないことが理解できた.また,ブラジル人家庭の最も深刻な安全上の課題はドラッグ問題であり,犯罪から身を守るという感覚ではなく,ドラッグをきっかけとした非行の道に入らせないようにすることが重要との認識であった.近年の日本の防犯教育プログラムは,犯罪機会論に則ったものが多く,犯罪者を生まないための教育といった視点はあまり含まれていない.研究計画では,ブラジル人学校に「地域安全マップ」のような地域連携を軸とした教育プログラムの提供を検討していたが,いずれ本国へ帰るブラジル人のニーズを考慮すると,違ったアプローチの検討も必要ではないかと考える.こうした問題意識のもと,平成24年3月にブラジルサンパウロで現地調査を行った.公立小学校,私立小学校,警察,警察学校,行政機関,日本領事館,大学研究機関などを訪問し,効果的な防犯教育プログラムについてのヒヤリングを行った.当初の予想通り,どの訪問先でもドラッグ問題を最重要課題に挙げており,これらを含むプログラムの作成が必須であることが理解できた.また,併せて日本式の教育プログラムについての関心は高く,これらを融合した教材を作成することが求められるとの結論を得た.今後,現地で得た資料の翻訳やブラジルの教育に関する法律の理解,現地で行われている防犯プログラムの検討を行い,具体的な教材作成に入っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本におけるブラジル人学校の現状が把握できたことと,浜松市内のブラジル人支援団体(関与している人の多くは在日ブラジル人)との協力体制が築けたこと,ブラジル現地調査を行い現地での研究協力体制が築けたことと必要な資料が概ね収集できたことが,当初の計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度のブラジル現地調査で得た知見をまとめるとともに,収集した資料の翻訳を進め教材開発の方針を決定する.その後,在日ブラジル人学校やブラジル人家庭の協力のもと,作成段階の教材の実証実験および評価を行う.これらの結果を踏まえ内容を改訂する.改修版の教材については,必要に応じてブラジル現地での実証実験を行うとともに現地警察や行政の意見を収集し,更なる改訂を行うこととする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ポルトガル語資料の翻訳作業に当初予定を超える支出が見込まれる.また,教材の形態によっては,制作に掛かる費用に増減が見込まれる.教材作成が順調に進んだ場合,現地調査費用を計上する.これらの支出については,物品費からの流用で賄う予定である.研究費全体の使途割合としては,物品費(15%),旅費(35%),人件費謝金(40%),その他(15%)程度になるのではないかと考えている.
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Research Products
(2 results)