2012 Fiscal Year Research-status Report
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23500889
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
佐野 裕子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (50596088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前橋 明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80199637)
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Keywords | 家庭的保育 / 低年齢児 |
Research Abstract |
家庭的保育を利用する子どもの生活実態を、全国から11県を抽出し、北海道、山形県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、兵庫県、福岡県)の区市町村25自治体が管轄する家庭的保育利用者について、広域調査を実施した。全国の保育園児の生活調査(2011年)結果をもとに、保育園児と比較分析することにより、家庭的保育の特性に応じた健康生活のあり方を模索した。その結果、22時以降に就寝する子どもの人数割合は、15.6%(1歳女児)~33.3%(3歳女児)で、中でも、0歳女児(25.8%)、2歳男児(29.9%)2歳女児(27.6%)、3歳男女児(33.3%)の割合が多かった。夜間の睡眠時間が9時間30分未満である短時間睡眠の子どもの人数割合は、16.9%(1歳女児)~40.0%(0歳女児)、10時間以上の睡眠時間を確保できていない子どもの人数割合は39.6%(1歳女児)~60.9%(3歳男児)であった。また、保育園児との有意差は認められず保育園児と同様に遅寝、短時間睡眠の傾向にあった。朝食開始時刻、登園時刻については、保育園児より有意に遅く、朝にゆとり時間がある事が確認できた。テレビ視聴時間時間については、保育園児より有意に短時間であった。 生活時間相互の関連性については、1%水準でかつ、r≧|0.3|のものを抜粋すると、男児では、①夕食時刻が遅いと就寝時刻が遅い。②就寝時刻が遅いと睡眠時間が短く、起床時刻や朝食開始時刻が遅い。③起床時刻が遅いと朝食開始時刻が遅く、登園のため に家を出る時刻が遅い。④朝食開始時刻が遅いと登園のために家を出る時刻が遅い、という結果となった。女児では、夕食時刻と就寝時刻との関連性は認められなかったが、他の生活時間相互の関連性については、男児と同様に認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画した家庭的保育を利用する子どもの生活実態と、保育所を利用する子どもの生活実態(2011年全国調査結果)を比較・検討した。また、家庭的保育利用者(保護者)による家庭的保育に関する意識調査、家庭的保育者による家庭的保育の保育実態調査を実施し、家庭的保育利用児の抱える健康生活上の課題を明らかにするとともに、家庭的保育の特性に応じた健康生活のあり方を検討した。また、次年度に計画した家庭的実態調査結果を、①研究資料、②研究論文として、それぞれ冊子にまとめた。①は、研究資料1:家庭的保育利用児の生活実態調査2011年,研究資料2:家庭的保育利用者の家庭的保育に関する意識調査2011年,研究資料3:家庭的保育の保育実態調査2011年として全56ページにまとめた。②は、研究論文として日本幼少児健康教育学会誌紀要に投稿した内容を全14ページにまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作成した、家庭的保育の実態調査結果をまとめた報告書を全国の調査地域に結果報告として郵送する。また、今年度は、前年度の広域調査結果から提言をまとめ、各地域での報告会を実施する計画である。併せて、報告会では生活改善の具体的な方策も提言したいと考え、広域調査で確認された遅寝で短時間睡眠の結果をふまえ、家庭的保育利用児の生活リズム改善のための質的調査を実施し、その結果から具体的な保育・育児の実践方策と家庭的保育の有効性にいついて検証する。質的調査は、家庭的保育者、家庭的保育を利用する保護者を対象にインタビュー調査(分析は、グラウンデット・セオリーを用いる)を行い、分析する計画である。そして、保育所の待機児童対策として2010年から児童福祉法上に位置づけられた、保育事業としての家庭的保育の有効性にいついて明かにし、子どもの健康づくりの提言を具体的に行うこととした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
報告書の郵送費として、3万円。報告書作成費として15万円。学会報告,報告会、インタビュー調査、打ち合わせ会議の旅費として25万円。インタビュー調査の逐語録制作費として3万円。インク代3万円。文具・書籍代1万円。以上合計50万円を使用する計画である。
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Research Products
(5 results)