2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500889
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
佐野 裕子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (50596088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前橋 明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80199637)
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Keywords | 家庭的保育 / 保育所 / 家庭的保育者 / 家庭的保育受託児 / 3歳未満児 / 生活実態 / 健康生活 / 家庭との連携 |
Research Abstract |
家庭的保育は、2010年、児童福祉法上に位置づけられた保育事業として施行された。本研究は、従来実施されてこなかった、保育所の実態調査と比較分析することにより、3歳未満児が健康生活を営む上での家庭的保育の特徴を明らかにし、健やかな育ちを保障していくための知見を得ることを目的とした。 本研究は、①家庭的保育の保育実態の分析、②家庭的保育受託児保護者の保育実感調査、③家庭的保育受託児と保育所通所児の生活実態の比較・分析、④家庭的保育受託児と保育所通所児の病欠席率の比較・分析を実施した。 その結果、家庭的保育受託児の就寝時刻については、保育所通所児との有意差はみられなかったものの、早寝傾向であった。また、夜間睡眠時間は、保育所通所児より有意に長時間であり、起床から朝食開始までの時間が保育所通所児より長いこと、登園のために家を出る時刻が有意に遅いこと等、保育所通所児と比較して、起床から登園までにゆとり時間があることが明らかになった。受託児の体調不良による欠席率は、保育所通所児と比較して1.6倍~3倍と低率であり、朝、機嫌が良い子どもの様子や保護者の家庭的保育に対する満足度は高率であった。帰宅後の生活で顕著な相違がみられたのは、保育所通所児より全体のあそび時間が短時間で、1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間も短時間であった。これらの結果を受けて、さらに、量的研究法では分析できない家庭的保育受託児の日中の保育者の生活支援、家庭的保育受託児母親の“意識(思い)”等について、グラウンデットアプローチを用いた質的研究を行った。その結果、家庭的保育の受託児への生活支援は、一人ひとりにきめ細やかな支援と、家庭への連携が適切になされ、健康生活形成の土台となる3歳未満児にとって、適した保育環境であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)