2013 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由児・者のズボンの着脱動作解析と自立を助ける修正衣服の開発
Project/Area Number |
23500909
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
雙田 珠己 熊本大学, 教育学部, 教授 (00457582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
干川 隆 熊本大学, 教育学部, 教授 (90221564)
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Keywords | 肢体不自由児・者 / 着脱動作 / ズボン / 生理的負担 / 修正衣服 |
Research Abstract |
1.修正ズボンのパターン作成と日常生活における使用テスト 脳性マヒの障害をもつ女性を被験者とし、①膝立ちでのズボンのはき上げやすさ、②ファスナーの閉めやすさ,の修正を加えたズボンパターンを作成した。具体的なズボンの修正方法としては、ファスナーの位置を下げるため前股上を4㎝たたみ,ファスナーの開き止まり位置を通常よりも3.5㎝下げ、15㎝の短いファスナーに変更した.また,ベルト付け位置とH.L.の間に、布を引き上げるために手を入るだけのゆとり量を加え、座位姿勢に合わせて後股上を4㎝伸ばした。次に、伸縮性の少ない綿100%ツイルを用い、修正パターンで製作した試験着を製作し、1ヶ月間の使用テストを行った。日常生活では排泄時の上げ下ろしやすさや、這って移動するときの脱げやすさを確認した。着装時の外観評価と機能性評価が高かったため、これを修正パターンとした。 2.着用テストによる修正効果の確認 基本ズボン(文化式の標準原型ズボン)と前掲修正ズボンを着用し、心拍変動、血圧、加速度、着脱時間、動作分析、疲労度(α-AMY)、官能評価を行った。その結果、心拍変動、血圧、α-AMYに有意な差はみられなかったが、修正ズボンは、はき上げ時間が短縮され、動作分析では膝立ち時の前傾姿勢が軽減された。官能評価では、H.L.部分のゆとり量の増加がはきやすさにつながることを明らかにしたが、数値的な検証には至らなかった。ズボンのゆとり量を数値化し客観的に表記する必要性は、今までの学会発表時の質問者および査読者からの指摘にもみられ、接触面の衣服圧測定が有効と考えられた。しかし、接触圧計は現有しておらず借用も困難であったため、接触圧計を25年度に共用設備として購入した。現在ベルト接触部分の接触圧を測定している。なお、着衣時の姿勢の違いを重心移動から分析し、修正効果を示す指標としての有効性を検討している。
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Research Products
(2 results)