2013 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防に資する雑穀利用食品の設計とその基盤原理の確立
Project/Area Number |
23500938
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20186480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 智幸 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40228953)
|
Keywords | もち粟 / うるち粟 / 雑穀 / グルテンフリー / パン / 物性 / 官能評価 / イヌリン |
Research Abstract |
【目的】日本人に不足しがちなミネラルや食物繊維を含む雑穀が近年注目されている。また、食物アレルギー疾患の増加も深刻化していることから、アレルギー体質の人にとって小麦を用いないパンの開発は、食生活のQOLの向上につながる。本研究では粟粉の粉体特性を明らかにし、小麦代替としてもち粟粉とうるち粟粉をブレンドしてパンを調製し、製パン性について検討した。 【方法】もち粟粉とうるち粟粉の粉体特性を評価した。パンの材料としてもち粟粉、うるち粟粉、グラニュー糖、食塩、ドライイースト、オリーブオイルを用いた。さらに副材料としてイヌリン、豆乳を添加した。もち粟粉とうるち粟粉の混合割合を変化させ、発酵時間、焼成条件等について検討した。製パン性としてパンの比容積、応力、水分含量を測定するとともに官能評価により嗜好性を評価した。 【結果】もち粟粉とうるち粟粉の平均粒径は138μmと169μmであった。また、でん粉損傷度はそれぞれ5.4%と6.3%であった。平均粒径の小さいもち粟粉は、吸水性は高いがパンの水分含量は小さいことが明らかとなった。もち粟粉とうるち粟粉の配合割合を変化させると、パンの比容積はほとんど変わらなかったが、もち粟粉の比率が高いほど軟らかいパンとなった。もち粟粉とうるち粟粉ではアミロース含量の他にでん粉損傷度や糊化特性も異なることから、これらがパンの硬さに影響していると考えられた。もち粟粉:うるち粟粉=50:50で調製したパンをコントロールとし、イヌリンや豆乳を添加したところ、イヌリンの添加により比容積は有意に増大し、豆乳を用いることによって初期弾性率の値は有意に低下した。官能評価においてもイヌリンや豆乳を添加したパンは有意に好まれた。以上の結果から、粟粉を用いて三大アレルゲンを含まないパンを調製することができ、アレルギー対応食品として応用できる可能性が示された。
|