2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500955
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
橋本 道男 島根大学, 医学部, 准教授 (70112133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片倉 賢紀 島根大学, 医学部, 助教 (40383179)
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 生活習慣病発症マーカー遺伝子多型 / Δ5不飽和化酵素遺伝子多型 / 多価不飽和脂肪酸メディエーター / リピドミクス / Madecassoside / 天然物由来アルツハイマー病予防物質 |
Research Abstract |
1) 遺伝子解析に関する研究: DHA・EPA強化食品による認知症予防効果に関するヒト介入試験において、強化食品摂取による効果が認められた治験者(DHAレスポンダー)と認められなかった治験者(DHAノンレスポンダー)として遺伝子多型を測定し、得られた結果と赤血球膜脂肪酸との関連性を解析した。その結果、Δ5不飽和化酵素の遺伝子多型とDHAレスポンダー、DHAノンレスポンダーの間には有意な関連性は見られなかったが、他の要因を解析中である。うつ病のリスクマーカーであるセロトニン輸送体多型では血清リノレン酸が低下しEPAは高値を示した。高血圧のリスクマーカーであるAGT M235T多型は血清中のステアリン酸が高く、C24:1、リノレン酸、DPA、DHAが低値を示した。内臓肥満のリスクマーカーであるβ3AR多型は認知機能評価法の一つである改訂長谷川式の総合点が低値を示し、血清中のDPA、リノレン酸は高値を示した。同様にUCP-1多型では赤血球膜DHAが低値を示した。 2)ツボクサ由来Madecassoside(MD)の認知症予防物質としての可能性の探索:MDは脳内へのアミロイドβ蛋白の沈着を抑制し、空間認知機能の障害を軽減した。さらには海馬のストレスマーカーを減少させ、可塑性関連マーカーを増大させたことから、MDはADの治療薬になりうる可能性が示唆された。 3)リピドミクス解析: n-3PUFA長期投与した加齢ラット脳内エイコサノイド・ドコサノイドを測定すると、n-3PUFAによる空間認知機能の亢進とともに、DHAの代謝産物であるHDoHE、PD1、PD2などは増加した。また、認知機能のスコアとレゾルビンなどには相関が認められたことから、ドコサノイドの増加は、認知機能の亢進と関連することが示唆された。
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Research Products
(29 results)