2013 Fiscal Year Annual Research Report
食生活の偏りが自己免疫疾患やアレルギー疾患に及ぼす影響と腸内菌叢の関わりについて
Project/Area Number |
23500957
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
有持 秀喜 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30311822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 佳子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40189303)
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Keywords | 高脂肪食 / 炎症性サイトカイン / 自己炎症性疾患 |
Research Abstract |
食生活の偏りが起きているのと同時に、アレルギー疾患などの免疫系が重要な役割を果たしている病気が増加しているが、免疫系が関与する疾病が食生活の乱れによってどのような影響を受けるのかは完全に明らかにされていない。これまでに行った研究より、リューマチ様関節炎のモデルマウスでは脂肪と蔗糖の過剰摂取は関節炎発症に悪影響を与えなかったこと、および1型糖尿病のモデルマウスであるNODマウスの自然発症型1型糖尿病に対し、高脂肪食は少なくとも促進する効果はないという結果が得られた。そこで今年度は、ヒトの自己炎症性疾患で原因遺伝子として同定された変異遺伝子を欠損するマウスに高脂肪食を与え、炎症状態に影響が見られるかどうかを検討した。遺伝子欠損マウスに高脂肪食(オリエンタル酵母工業製F2HFHSD diet、脂肪30%含有)を与えて飼育し、体重の変化を観察した。高脂肪食群では実験開始から1か月で体重増加が通常食群よりも高い傾向を示し、3か月後には統計学的にも有意な増加となった。6か月後にマウスを屠殺し、血清中の炎症性サイトカインを定量したところ、通常食群では野生型マウスの4匹中1匹に、欠損マウスの6匹中4匹にサイトカインが確認できたのに対し、高脂肪食群では野生型マウスの4匹中0匹に、欠損マウスの6匹中4匹にサイトカインが確認された。これらの結果より高脂肪食は今回用いた遺伝子欠損マウスの炎症状態誘導に対し、少なくとも促進する効果はないと考えられた。
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