2013 Fiscal Year Annual Research Report
リンゴ果実プロシアニジン類の動脈硬化予防とその作用機構の解明
Project/Area Number |
23500996
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
庄司 俊彦 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所 栽培・流通利用研究領域, 主任研究員 (90582510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 富智 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20261456)
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Keywords | プロシアニジン類 / リンゴ / 動脈硬化予防 |
Research Abstract |
これまでの研究報告からリンゴのフラボノイド類が生活習慣病予防に関与している可能性が示唆されている。しかしながら、リンゴの主要なフラボノイド類であるプロシアニジン類(APC)は、他のフラボノイド類と比べて、構造が複雑であることや分離が難しいことから研究が遅れていた成分である。本研究では、ApoE欠損マウスおよび培養細胞を用いてAPCの動脈硬化予防効果について検討することとした。 ApoE欠損(C57BL/6.KOR-ApoEshl)マウスおよび正常(C57BL/6)マウスに高脂肪食(HFD)および普通食(ND)を20週間摂取させ、APCおよび蒸留水(DW)摂取による影響を比較した。HFD/DW群は、ND/DW群と比べ、有意な体重の増加が認めたれたが、HFD/APC群では有意に体重増加が抑制された(p<0.05)。さらに、内臓脂肪、精巣周囲脂肪、腎周囲脂肪において、HFD/APC群ではHFD/DW群と比較して有意に増加が抑制された(p<0.05)。ApoE欠損マウスのHFD/DW群では、アテローム性動脈硬化症は認められなかったが、腹腔静脈においてフィブリン沈着を伴う血栓様構造が認められたが、HFD/APC群では認められなかった。 一方、3T3-L1脂肪細胞およびRAW264.7マクロファージ様細胞株を用いて、APCによる炎症性サイトカイン(MCP-1およびTNF-α)産生に与える影響を検討した。3T3-L1細胞とRAW264.7細胞を共培養し、oxLDL(5g/mL)存在下で培養するとMCP-1産生量の増加を認めたが、APCによる抑制効果は見られなかった。一方、同条件下において、TNF-α産生に与える影響を検討したところ、産生量を減少させることが確認された。 以上のことからAPCは炎症性サイトカインの産生を抑制し、動脈硬化の予防作用を有することが示された。
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