2013 Fiscal Year Research-status Report
ファストプランツを共通生物教材とする小・中・高での一貫学習プログラムの創設
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23501003
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
石澤 公明 宮城教育大学, 教育学部, その他 (10125495)
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Keywords | ファストプランツ / 植物教材 / 植物栽培 / 問題解決学習 / 初等・中等教育 / 種子 / 光合成 / 生活環 |
Research Abstract |
1) 小学校での実践 宮城県大崎市立岩出山小学校の菊田淳教諭との共同研究で、6年生を対象とした植物学習(植物の体の仕組みと成長)を振り返り、その理解を深めるためにファストプランツを教材として活用する方法について検討した。教室内でのファストプランツの栽培、その後の成長を、生活環を通して観察させ、受粉と結実、種子発芽、光合成、蒸散などの課題を児童の興味と関心を基に選択させて、それぞれの問題を自ら解決する学習を行った。一人一人が自分でファストプランツを種子から育て、種子を取るまでを体験をさせ、同時に、それぞれが問題意識を持って観察、実験を行ったことで、植物の体の作りとその働きに対する興味を深める効果があることが、提出された観察・実験記録から明らかになった。 2)中学校での実践 宮城教育大学附属中学校の高橋知美教諭らとの共同研究で、中学3年性を対象として、ファストプランツを使った光合成を課題とした観察・実験授業を実践した。中学校でのファストプランツの栽培には、市販されているスチール製の棚と直付け蛍光灯器具を用いて自作した栽培棚をすることで、大学研究室内と同程度のファストプランツの育成が可能となることを明らかにすることができた。また、ファストプランツを使って、光合成をおこなう植物の器官、組織を調べるために、でんぷんをヨウ素を用いたたたき染めで染色することを試みた。生徒が立てた仮説を実験的に検証する方法論を実体験させる高度の授業を展開することができた。この成果は、附属中学の髙橋知美、齋藤広大、西川洋平教諭及び宮城教育大学の田幡憲一教授、小林恭士淳教授との共著として日本生物教育学会第90会年会(筑波大学)で口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファストプランツを教材とした小学校と中学校での十分な実践が未だ不十分で、その成果をまとめるまでに至っていない。また、その成果を公開する方法として、論文という形式以外の方法についての検討を行うまでに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校、中学校、高等学校での実践を行うことを追求し、ファストプランツを教材として使用する効果についての検証を深めることを計画している。 研究成果は、学術論文として発表すること、及びネット上に公開して、現職の教員からその内容について研修できるようなシステムを構築を目指したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に、研究開発した学習教材を活用し、研究協力者の協力を得て学校現場で実践を行い、その有効性を検証することを予定していた。その学校現場での実践において、植物の栽培法について(特に気温の低い時期での栽培において)新たに改善すべき問題が生じた。 再度、研究協力者の協力を得て学校現場での実践を行い、有効性を検証する必要が生じた。 このため、学校現場での実践及び研究成果のとりまとめを26年度に行うことし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(3 results)