2012 Fiscal Year Research-status Report
ジオパークにおけるキッチン・ジオ実験を活用した地学教育に関する研究
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23501005
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 信太郎 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90180968)
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Keywords | キッチン火山実験 / ジオパーク / 理科教育 |
Research Abstract |
今年度は,1)ジオパークにおけるニーズの掘り起こし,2)キッチン実験の開発,3)ジオパーク,学校教育現場での実践と検証,を行った。 1)ジオパークにおけるニーズの掘り起こしは,八峰白神,男鹿半島・大潟,ゆざわ,鹿追(構想),白滝,伊豆半島,島原半島,桜島(構想)で,ヒアリング調査の手法を用いて行った。ジオパークのキーパーソンや教育実践を行っている関係者と面談を行い,その地域で必要とされる実験を抽出した。2)溶岩ドームによるせき止め湖実験,砂糖マグマ実験,伊豆半島の衝突実験など新規のキッチン実験を開発した。また,すでに存在する麩の火山灰実験や歯科印象材による溶岩実験をジオパークでのニーズに合わせて改良した。特に砂糖マグマ実験は「砂糖マグマの七変化」として多様な火山噴出物の再現が可能であることがわかった。伊豆半島の衝突実験では,紙粘土を伊豆半島の元になる地塊,オーブンペーパーをプレートのかわりに使い,過去数百万年にわたる伊豆半島の衝突を再現した。3)ジオパークでのガイド講習会や,学校・キッズスクールでの実践と検証を行った。特に鹿追小学校では実験の学年別の理解度のデータをえることができた。また,伊豆半島の衝突実験は,ジオパークのガイド,小学生低学年の子どもに人気と効果があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定していた,1)ジオパークにおけるニーズの掘り起こし,2)キッチン実験の開発,3)ジオパーク,学校教育現場での実践と検証の3つの項目はすべて順調に進んでいる。特に,新開発の実験は,ヒアリング,設計,実験方法の検証,現場での使用,改良のサイクルが機能し当初の予想以上の進展が見られた。また,国際学会を含む3回の学会発表を行い,研究成果の一部を公表した。また,鹿追小学校における授業実践では3年生から6年生まで全く同じ授業を行い,学年ごとにどのように理解度が異なるのか実証することができた。可搬性のある実験キットの開発も進みつつあり,全体としては当初の予定通りの進展とみなすことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにジオパークの学校現場を中心に実験教材の実践的な検証を行う。また,ここまでで得られた成果を国内や国外の学会で発表するとともに計画的に論文化を行う。また,開発した実験を広めるために実験マニュアルの作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品は主にキッチンジオ実験教材の開発をさらに行うために用いられる。また,実験キットの制作を行うことにも使用される。ジオパークの学校現場を中心に実験教材の実践的な検証を行うために旅費を使用する。また,この際のデータ収集のためにアルバイトを雇用し,謝金を使用する。成果発表をアジア太平洋ジオパークネットワーク大会や日本ジオパークネットワークの大会,地球惑星連合学会,日本火山学会などで発表するために旅費を使用する。また,実験パンフレットの作成を行うために印刷費を使用する。
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Research Products
(3 results)