2012 Fiscal Year Research-status Report
スマートecoエナジーライフに関する科学教育用実験装置の開発
Project/Area Number |
23501039
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 洋 仙台高等専門学校, 電気システム工学科, 准教授 (80302230)
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Keywords | エコ発電 / 電磁エネルギー変換 / 非接触給電 |
Research Abstract |
本研究の目的は高等教育機関における工学・環境教育の一環として,エコ発電,電力供給,電磁エネルギー変換を三本柱で構成する,科学教育を目的としたスマートグリッド実験装置の開発である。 今年度は,先ず第一に,気象条件に左右されず常時発電可能な超小型水力発電(ピコ水力発電)システムの発電機開発に力を入れた。水道を対象とした小流量・低回転速度に対応する水車でダイレクトドライブする発電機として,扁平(アキシャルギャップ型)で磁芯を有しない(コアレス)構造である,多極型DCブラシレス発電機の設計・試作を行なった。コイルに対し片側に磁石を有する構造で,回転速度400rpmにおける出力が最大7Wを得た。また,コイルの両側に磁石を有する磁束効率改善型の発電機では,回転トルクが高くなったものの低回転速度における出力が片側コイルの2倍以上得られることを確認できた。ただし,水車と発電機を組み合わせた試作システムは水車の出力が不十分で回転トルクが弱いことから,水車の羽根構造による水車効率および出力の解析も実験中である。 次に,電磁変換システム教材としてDCブラシレスモータ模型の試作を行なった。これは前述の発電機と基本構造は同じであり,モータを回転させるためのセンサーやドライブ回路の検討を進めてきた。モータ機構とドライブ回路を試作し,別途作成したトルク測定機に接続して試作モータの基礎特性を測定することができた。このシステムにより,電磁エネルギー変換教材の基礎が構築できたものと考える。 最後に非接触給電システムについて,コイルの構造と伝送効率,電源回路などの検討を進めてきたが個別の検討に留まっており,最終年度は全体をまとめた検討が必要である。 本研究内容は,普段見過ごして捨てているエネルギーから電気エネルギーを収穫し,効率的に有効利用することを啓蒙する科学教育への貢献を目指すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エコ発電のひとつに位置づけている超小型水力発電システムの開発は一歩一歩順調に進んでいるが,電磁エネルギー変換と非接触給電については当初の予定しているシステムの一部しか達成できていない。初年度が東日本大震災に被災した影響で研究が進まず,超小型水力発電システムを優先してきた経緯によるものである。最近は被災の影響も改善されており,最終年度は更に研究開発を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
超小型水力発電システムの検討は水車の開発を重点的に進める予定である。また発電機の構造も改善すべく,電磁界シミュレータを用いて設計・開発を行なう。 電磁エネルギー変換システムと非接触給電システムの検討も,これまで実施してきたパートを更に研究を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は,これまで研究開発を進めてきたシステムの実験を進めるにあたり,システムを構築するために必要な電気電子部品などの調達,その実験においてシステムを制御したりデータを収録し解析したりする装置,研究発表や情報収集に必要な旅費,研究補助謝金などに充てる。
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