2011 Fiscal Year Research-status Report
生徒間で科学的議論を生み出す新しい理科実験連携授業システムの開発
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23501069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲田 佳彦 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80273572)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | データロガー / 理科観察実験 / ICT / 科学的議論 / データ同時共有 |
Research Abstract |
次世代の科学教育に欠かすことのできない、「科学的な議論や判断を通じて結論にいたる能力」を養うために、データロガーの即時性を活用して生徒間の議論を促す理科実験観察授業システムを開発した。Wi-Fi、bluetooth、大型高解像度モニタ、可搬型PC等を活用して個別の機器を連携させることで、実験観察結果のグラフや画像を即時比較し、リアルタイムの生徒間のつながりを活性化し、生徒間の科学的な議論を活性化させることを目指す。本研究では、いくつかの具体的な次世代型理科実験連携授業の実施まで行い、効果を検証する。プロトタイプとして、4班分の連携理科実験観察システムの骨格を完成させた。システムの可搬性を考え、高輝度高解像度プロジェクター(EB1925W)を利用した。データロガーは、試験的にSPARK Linkを活用している。ただし、これらは孤立した機器なので、VNC画面共有でセンターPC(教師が操作するPC)とWi-Fi接続し、プロジェクタへ同時投影して、実験データや観察画像やグラフのクラス内での即時同時共有を実現する。教師側から生徒のデバイスを操作できるため、クラス全体のデバイスを迅速にコントロールしやすい。グラフの提示条件等を教師側からも変更できるので、生徒達の議論の内容に合わせて最適な形式でデータを提示しやすい。このシステムを利用した具体的な授業構成として、スマートグリッドも意識した電力供給システムの教材を開発した。発電システムは手回し発電機と光電池、消費システムは豆電球やモーター、蓄電システムは大容量キャパシタを使用し、電力安定度をデータロガーで測定した電圧をリアルタイムのグラフで表示して確認する。小中学校教員研修や免許状更新講習等で教員にこの授業を体験してもらい、高評価を得ている。ICTが苦手な教員でも短時間で簡単にシステムを構成できるように要望もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトタイプとして、4班分の連携理科実験観察システムの骨格を完成させた。これを利用した授業も効果的で、リアルタイムに変化する各班のグラフを同時共有することで、研修で児童生徒役で使用した教員間の議論が活発になる様子が確認できた。計画通り、24年度にはその効果を定量的に測定する予定である。現在は既存のデータロガーを利用しており、カスタマイズに少し難点がある。安価でカスタマイズしやすい独自のデータロガーシステムやプログラムの開発がまだ途上である。
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Strategy for Future Research Activity |
このシステムの使用が適している場面、適していない場面を明確にして、実際の授業での活用方法を確定する。従来の実験観察授業とは異なるので、実験観察の新しいルールや展開の方法、効果的な機器の活用方法を明確にする必要がある。議論を活性化するために必要な授業展開も含めて、被験者からのフィードバックも利用して確立する。システムを利用したときと利用しないときの児童生徒間の相互発言回数をカウントすることで効果の測定をおこなう。生物単元でのリアルタイムの観察画像の共有にも、このシステムが効果的かどうかも検証する。独自のカスタマイズしやすくかつ安価なデータロガーとプログラムの開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在4班分のプロトタイプを完成させているので、残りの4班分を構成するための機器を購入する。具体的な授業例を開発するための費用、成果報告のための旅費などに利用する。
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