2012 Fiscal Year Research-status Report
講義型授業における協調学習設計-論証作成CSCL開発と脳波位相同期による評価
Project/Area Number |
23501102
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西山 宣昭 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (10198525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 透 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (00202490)
山田 政寛 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (10466831)
|
Keywords | 位相固定 |
Research Abstract |
本研究は、結合振動子系が持つ本来的な特質である同期ダイナミクスが、脳内で表現されている情報の統合、崩壊、再構成の遷移を実現しているとする仮説に基づき、学習時に発生する脳波の位相固定の特徴を明らかにしようとするものである。平成23年度に開発したCSCLによる自己学習時および暗算課題遂行時における頭皮脳波の測定を行った。平成23年度に行った予備的測定結果に基づき、デルタ波とシータ波との位相固定の間欠的な出現に注目し、位相固定における位相差、出現頻度、持続時間等についての分布を求め、上記の課題遂行に伴う思考負荷に起因する思われる位相固定の特徴づけを行った。以上の結果について考察した結果、被験者の課題遂行時における自律神経の活動と脳波位相固定の出現との相関に注目することを着想した。つまり、脳波位相固定の出現の原因として考えられる思考負荷の程度を自律神経活動によって定量的にモニターしようとするものである。このようなさらなる実験を遂行するために、携帯型心電計を購入し、脳波と心電図の同時計測を行う計画を立て、予備的な計測および解析プログラムの作成に着手した。以上、今年度は、CSCLによる学習時および暗算課題遂行時における異なる振動数帯域にまたがる位相固定の出現を確認し、また課題遂行に伴う思考負荷を定量的に把握するための心電計測の準備を行った。位相固定の出現およびその特徴から学習の質を評価する可能性を引き続き探る予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CSCLの開発、脳波の位相固定の検出および解析にためのプログラム作成を終え、それらに基づいて、課題遂行時の位相固定を実際に検出し、その特徴づけを今年度までに完了している。今後、位相固定の特徴と学習の質との相関を見いだせるかどうかが研究成果の質を決めることになるが、その相関の有無を明らかにするための準備は完了したと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は脳波と心電の同時計測を行う。このことにより、脳波位相固定が発生している時の学習者の学習状況を定量的に把握することが可能となる。心電図により定量化された学習の質と脳波位相固定との相関を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳波と心電との同時計測に必要な消耗品の購入および被験者への謝金に使用する。
|