2012 Fiscal Year Research-status Report
電子ポートフォリオを用いた学習成果の自動評価とアドバイザーの支援環境
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23501116
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Keywords | 電子ポートフォリオ |
Research Abstract |
全国の大学に対して、ポートフォリオの利用実態についてアンケート調査を実施した。その結果、29.5%、回収ができ、その中で、30%の大学で運用中・試用中であることがわかった。GP等の補助金で運用しているはずの大学において、継続されていない等の実態や、導入しても全学的な利用に至っていない実態がよく理解できた。また、学生への継続的な利用をさせる方法がないのが現状の中、具体的な運用ノウハウを共有していくことが、ポートフォリオの活用を増やすために必要であることもわかった。 昨年度に引き続き、教職ポートフォリオの開発を継続して行い、その中で、シラバスの情報を活用して、成績の情報から、自己評価の項目の精度をあげるための仕組みを考案することができた。しかしながら、シラバスの記入が不十分であったり、抽象的な到達目標しかない場合には、うまく機能しないため、教職課程に必要な科目とその内容から、補う必要がある。ポートフォリオの自動評価を行うための基礎的な研究は終了した。 近年、電子ブックの普及がめざましいが、ショウケースとしてのポートフォリオの作成に電子ブック作成ソフトを活用できないかを検討した。例えば、apple社のibookauther を活用すると無料で簡単に電子ブックを作成できる。しかしながら、作成したものをPDF以外で公開したり、共有する仕組として、電子ブックの販売や公開用の仕組みを利用するしかないため、専用のアプリの開発が必要であることがわかった。 また、作成に凝り始めると、相当な時間が必要なため、専用のテンプレート等の整備が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
システムの開発に予想以上に手間取ってしまっている。シラバスの解析や評価の方法など、システムの要件を整理するのに手間がかかりすぎてしまった。実験的なシステムではなく、実運用のシステムに反映して実験することを目指したため、無理が生じてしまった。実運用のシステムと切り離し、研究用の環境を構築しているが、その区別を今後は行っていく。 卒業生調査を分析したが、期限守る、約束を守る、報告をする等の基本的な能力を求められ、困っている実態がありからになり、卒業して身につくラーニングアウトカムに関連して、独自の判定基準を確立することができなかった。他大学のデータとも比較したが、同様の結果であった。期限を決め、決まった内容を入力させるポートフォリオの重要性については、明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅れを取り戻すために、研究の実施方法を改める。ポートフォリオを自動評価するための試作システムを構築する。この時、実運用による実験はあきらめ、小規模の実験を行うこととし、研究をすすめる。 卒業生調査の結果分析から、基本的な事項で困っている実態があきらかになったことから、継続した記入方法について、事例を調査し、有効は方法も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・課外活動を評価へ反映させる方法の検討(ポートフォリオデータの分析) 多くの大学生は、様々な課外活動(クラブ活動、TA、ボランティア、留学など)やアルバイトを行っている。これらにより様々な能力を身に着けているが、その能力は評価されていない。また、評価するための基準も存在しない。そこで電子ポートフォリオに課外活動の内容を記録させ、評価を行う基準について研究する。 ・キャリアポートフォリオの研究(ポートフォリオデータの分析) 本学の電子ポートフォリオシステムでは、キャリア教育の中で取り組んだ資料をポートフォリオシステム内に蓄積させ、将来の就職や進路の決定や就職活動の際に利用できるようになっている。また、内的キャリア、外的キャリアの変化の記録など、独自の機能も持っている。このキャリアポートフォリオを分析し、記入すべき内容を精査する。 ・報告書を自動生成することができるシステムの試作を行う。次に実際のデータを使い、ドキュメントを生成し内容を検証する。学習成果を評価でき、必要な報告書とアドバイスの文案を生成できるシステムの試作と評価を行う。 ・3年間の研究のまとめと総括 3年間の研究成果を報告書にまとめ,製本する.
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Research Products
(2 results)