2012 Fiscal Year Research-status Report
知識創造型ユビキタスな学びによる教員養成の基礎研究
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23501120
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
神月 紀輔 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 准教授 (20447874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 多津 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (40237045)
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Keywords | ブレンディッド・ラーニング / 教員養成 / 教育方法 / 協調学習 |
Research Abstract |
平成24年度は,平成23年度に研究を行ったものを実践した。「教育方法学」「算数科教育」「算数科指導法」「情報教育」「教育の方法と技術」の各授業において,対面型授業とインターネットに配信したコンテンツによるブレンド型のe-Learningを行った。 「教育方法学」では,大学内のノートパソコンを授業内で普通教室に8台持ち込み,無線LAN環境の中,情報検索や意見交換などの取り組みも行った。「算数科指導法」では,デジタルカメラによるマイクロティーチングの撮影を前年同様継続させ,学生の内省を促すことができた。「情報教育」では毎回の授業に電子メールを用いたコメント収集を行い,それを次の授業で投稿者はわからないように開示することで,他者の学びから学ぶ学習システムを構築した。また,新しい概念であるBYOD(Bring Your Own Device)の考えも取り入れ,学生のスマートフォンやタブレット型PCを授業内で使える環境にし,このような機器を学生の主体性に合わせて,使用する授業方法も試行した。 その結果,これまでの授業に比べて,授業内の学生間のやり取りが活発になったり,LINEというスマートフォン向けのアプリを学生が主体的に利用し,授業外の時間にも学びを深化させている例が見られた。また,多人数授業では自ら発言することが難しいと思っていた学生が,電子メールやLINEの中では積極的に発言し,他者の学びに関与しようとする姿勢が見られたことが成果としてあげられる。 この授業を受けた学生のうち,数名は平成25年度から教員として教壇に立っており,このような授業を受けた経験を生かし,指導者として学習者の学び支援を促進できるものと期待している。 このような成果は平成25年3月に行われた国際学会SITE2013(米国ニューオリンズ)で発表し,研究者から示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度中にWindows8が発売されたことにより,タブレット型PCが多く出回るようになり,当初予定していたノート型パソコンのグループ1台の購入を見送ることとした。平成25年度はさらに安価なタブレット型PCが出回ると期待され,台数も多く購入し,学生の学びの支援を行いたい。 また,研究の中心に考えていたLMS(Learning Management System)の構築が,学内サーバの入れ替えと,ドライブの仮想化の構築により遅れ,平成25年度の運用開始となった。 さらに,研究当初の想定よりもスマートフォンの普及が早く,BYODの考え方も入ってきていることから,授業デザインも再検討が必要となった。 以上の理由から,授業のデザインは進んではいるものの,機器使用の面で遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は個人のデバイス環境を充実させ,新しい環境下にも順応できる授業デザインを再度検討し開発し,実践を行いたい。特に教員養成という目的を重視し,このユビキタスな学びによって,これから教員になる学生の学びの概念を転換させ,「主体性」「学び合い」といった学びの方略をできるように授業デザインを行いたい。 LMSの構築は完了したので,3,4年生による学生アルバイトを使い,授業コンテンツの整備や学生のコメントの開示などに従事させたい。また,教育実習への支援コンテンツも作成し,情意面も含めたサポートを行っていきたい。 このような取り組みに対する評価として,学生へのアンケート調査を行い,学外の研究者を招き,より先進的な使用法などを学内のフォーラムとして実施していく予定である。このフォーラムは学内および同一法人内の小中高等学校の教職員にも参加を呼び掛け,本学内に広めて行きたい。 研究の成果は,日本教育工学会,日本教育情報学会,SITE2014などの国内外の学会に分担者とともに発表を行い,示唆を得る予定にしている。また最終年度にあたるので,その成果報告書の作成にもあたりたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
授業環境を学習デザインに従って改善するために,個人のデバイスとしてタブレットPCの導入を考えている。これは,現在,全国の小中高等学校でも導入が進められており,そのようなデバイスを扱う教育に教員養成の学生として慣れておく必要があると考えられる面もある。また,無線LAN環境の改善のためのルータの購入も考えている。これは,BYODの考え方で個人持ちのデバイスも含め,LANにつながる機器が現在想定するものよりも多くなる可能性が高いためLAN回線を確保する目的もある。さらに,現在のLMSのスマートフォン対応が可能かについて調査し,可能であれば,その開発費用の支出も考えている。スマートフォン対応ができれば,BYODの考え方が進められ,学習の進化がさらに進められる可能性がある。 上記で述べたように,LMSに関しては個人情報漏えい等の支障のない状態に限って,学生アルバイトによるコンテンツ整備を考えており,アルバイト料を学内の規定に従って支払う予定である。 先進的技術の供与も含めて,国内の研究者を招へいし学内フォーラムも開く予定であり,必要な費用を支出する予定である。 成果の発表は分担者とともに国内3~4学会,国外1~2学会での発表を予定している。また,成果報告書を分担者とともに200部程度作成し,領域の近い研究者に配布する予定である。
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Research Products
(3 results)