2014 Fiscal Year Research-status Report
点字問題を含むセンター試験アーカイブ環境の構築と資源再利用有効化に関する研究
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23501132
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大武 信之 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (10223851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 教育工学 / 情報システム / センター試験 / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度、大学入試センター試験の点字過去問題を用いて、XMLファイル形式に自動変換するシステムを完成させたが、H26年度は、H25年度のシステムを基盤にEPUB3.0ファイル形式へ自動変換可能なシステムへと改良を行った。EPUB3.0ファイル形式は、タブレット端末や、電子図書専用リーダ機器における標準的なファイル形式になると予想されるファイル形式であるため、H26年度の開発は有用かつ今後の利用価値を高めるものである。また、EPUB3.0ファイル形式は、H25年度に開発したXMLファイル形式の部分集合であるため、H25年度まで独自に定義していたタグを、EPUB3.0ファイル形式に合せることで、より普遍的な電子ファイル形式での利用が可能となった。電子図書の発達は、簡便なタブレット端末やスマートフォンの普及によるところはあるものの、実質的な鍵はH23年5月に公開されたEPUB3.0の仕様に、他言語にはない日本語特有の記法であるルビ・圏点・傍線・縦中横などの印刷業界で使われていた印字を可能とする表記が組み込まれたことにある。本システムにおいても、EPUB3.0に変更することで、利用範囲が広まると共に不偏性も増したことになる。 H26年度に作成したEPUB3.0形式への自動変換システムは、エンド・ユーザが利用可能な機能として組み込んだが、使い勝手等のユーザ・インターフェースは熟慮されていないため、H27年度の課題として改良の余地がある。また、EPUB3.0ファイル形式に自動変換可能としたが、システム上の不具合(バグ)が残っているため、その修正が必要となる。これらの問題点を、H27年度のシステム改良につなげる必要があり、最終年度の取り組みとして行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の「研究実績の概要」で示した通り、1~3年目に作成したシステムを基盤に、H26年度は、大学入試センターにおける過去の点字問題を、EPUB3.0ファイル形式でアーカイブするシステムを作成することができた。多少の不具合と、プログラム上のバグが存在するものの、当初の計画通りに開発は進んでいるため、おおむね順調に進展していると言える。4年間の成果を元に、最終年度のシステム構築を行うにあたり、現状では特に支障となる問題は存在しない。唯一問題となるのは、点字と墨字が混在する部分において、点字の定義がEPUB3.0ではISO(世界標準化機構)による定義がなされていないため、標準化されていない独自タグを用いている点である。ただし、この問題は世界的な標準化に関する問題であるため、本研究課題では解決できない。そのため、独自タグの部分は、ISOの定義に従い容易に変更可能なようにシステム開発を行うことで対応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、1~4年度の成果を踏まえ、一般ユーザが容易に利用可能なシステムへ完成を目指す。また、実質的な利用を促すため、大学入試センターおよび特別支援学校(盲学校)へのアピールと共に、システムの無償配布を行う予定である。4年間の成果から、最終年度に提供できるシステムは、初年度に提出した計画書通りに構築できる。
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Research Products
(1 results)