2015 Fiscal Year Annual Research Report
点字問題を含むセンター試験アーカイブ環境の構築と資源再利用有効化に関する研究
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23501132
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大武 信之 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (10223851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 大学入試センター / センター試験 / 特別問題(点字問題) / アーカイブ / 電子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
国公私立大学が利用するセンター試験は、過去問題として蓄積されているが、一般問題・特別問題(点字)とも再利用可能な形式ではない。一般問題は電子化されているが、再利用に不便で、点字問題は電子化されていない。本課題では、点字問題を再利用可能な形式にするための環境提供と、一般問題(墨字:すみじ)と特別問題の関連付けが無いため、双方を自動的に電子化し墨字から点字、点字から墨字の両方向参照を可能とするシステムを提供した。 センター試験の点字問題は存在を知られてないか、単に原問題を点訳したものが供されている程度の理解である。点字受験者には、地理問題に代表される図や写真を見ないと回答不能な問題があり、原問とは異なる代替問題が作成される。代替以外の処置は、点字理解に時間を要するため、原問の選択肢削減や、選択肢を工夫し負担軽減するなど、障害者用の作問もある。特別措置は、原問題参照だけでは分からず、一般問題と特別問題の関連付があってこそ後世に伝えられる。代替問題作成の工夫やノウハウの伝承を、問題を電子化する過程で組み込み、特別問題の作成に関わる技術的手法を伝承できるツールを提供できた。 本課題の点字過去問題アーカイブ環境は、一般の古書点字にも使用可能で、点字古書を電子化し、複製本を提供できると共に、劣化した古書点字を新書に甦らせることも可能とした。本環境は、MicrosoftのWordをプラットフォームとし、点訳ボランティアにも容易に使えるツールで、編集ツールとして使い勝手も良く、点字出力機能も兼ね備えた。ボランティアにとり最大の利点は、点字・墨字自動変換に際し、数式点字を一般の数式に表示する機能があり、正しく数式点字が書かれているかの判断が容易な点である。微分や積分等の数式点字は分かりにくいが、式の内容は分からずとも表示が原本と合っているかの判断を墨字で行えるツールはなく、数式確認に有効な道具を提供できた。
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Research Products
(1 results)