2014 Fiscal Year Annual Research Report
非母語話者日本語教師の教授不安に着目した指導モデルの構築
Project/Area Number |
23501138
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西谷 まり 一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (80281004)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 不安 / 失敗 / 非母語話者 / 日本語教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
非母語話者日本語教師の不安の実態を明らかにし、不安と失敗に着目した指導方法を開発した。 まず、外国人の日本語教師が有する不安について、先行研究とPAC分析を援用したインタビュー調査を基に不安尺度を作成した。作成した調査項目は、20項目である。因子分析の結果、「学生関係」、「自分の日本語・日本文化理解」、「授業実践力」の3つの要素が得られた。「学生との関係」は、学生が日本語に関して持っている不安を取り除けるかどうか自信がない、授業でとりあげる例文が学生にとってわかりやすいか不安だ、学生との距離をどうやって縮めるかわからず不安だなど、「自分の日本語・日本文化理解」は、自分が日本文化を正しく理解しているか不安だ、学生に自分の日本語を信頼してもらえるか心配だ、自分が文法を正しく使えているか不安だ、日本語だけでなく日本文化をうまく伝えられるか不安だ、今後日本語がうまくならないのではないかと不安だなど、「授業実践力」は、学生の質問にきちんと答えられるか不安だ、学生の間違いをきちんと直せるか不安だ、自分でわかっていることを授業でわかりやすく説明できるか不安だ、母語をどのぐらいの割合で使用すればよいかわからずに不安だ、母語との違いをどこまで説明したらいいかわからず不安だ、などである。 次に、失敗から学ぶことの大切さを強調するフィードバックを返す実験を行った結果、教師の不安を軽減し、日本語を教える意欲を高める結果が得られた。 最後に、失敗から学ぶ方略を学ばせる目的でワークショップを行った。その結果、教師は失敗を意識化し生かす視点、失敗を怖がらない視点、及び、失敗の共有の視点を得た。
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Research Products
(3 results)