2012 Fiscal Year Research-status Report
言語活動の充実と生き方学習につなげるデジタルストーリーテリング手紙制作と授業設計
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23501144
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
須曽野 仁志 三重大学, 教育学部, 教授 (50293767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 教授 (80150217)
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Keywords | デジタルストーリーテリング |
Research Abstract |
本研究では、学習者が未来または過去の自分自身へ宛てた手紙や自分のこと(生き方、将来の夢など)を伝える作品をデジタルストーリーテリング(digital storytelling、略称「DST」)で表現する授業設計及び実践にとり組んだ。 DST制作授業の設計のために、2010年度の大学授業で学生がDST制作にとり組んだ感想を質的分析し、授業デザインのためのコメントをコード・カテゴリー化した。その中で、学習者による振り返り、自己効力感、やりがい、自分の生き方、満足感などがキーワードとして挙げられ、それをもとに、DST制作プロセスモデル「ADMSAR(Arrage,Design,Make,Show&Send,Assess&Reflect)」を構築・修正した。また、DST制作過程の中で、ARCSモデル(Attention,Relevance,Confidence,Satisfaction)に着目し、作品制作テーマや学習支援技法とどう関連するかについて検討した。 DST制作について学ぶビデオ教材やDST制作マニュアルを改良し、実践用WebサーバやMoodleコースを構築した後で、大学授業において、「自分への手紙」「未来に残したいもの(未来遺産)」をテーマに、2分程度のデジタルストーリー制作にとり組んだ。DST制作の事前・途中・事後で、大学生がどのようにARCSについて考えているかを記述させ、その分析を進めた。質的分析を主に進めた。さらに、ARCSについて事前事後でどのように変容するか、量的なデータも統計的に変化したか明らかにした。 また、中学校においても、実践協力者が国語の授業において、同様なテーマでがDST実践を進めた。その中で、DSTが言語活動の充実と生き方学習とどうつながるかやメタ認知や自己内省力とどう結びつくかについて、作品自体、ナレーション原稿、アンケートをもとに検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度にとり組んだ理論的な検討(教育工学、心理学、社会学、キャリア教育の面から)や2010年度までのDST実践成果をもとに、手紙形式のDST制作をどのように授業制作するかについて、ADMSARプロセスを構築・修正したり、ARCSモデルをどのように作品制作に生かすか、具体的にインストラクショナルデザインの研究として形にすることができた。それらのモデルを検証するために、大学及び中学校で、DST制作を行う授業を数回行い、ARCSや自己内省に関する量的・質的データを得ることができた。そのデータは、本研究最終年に分析・考察する予定であるが、途中経過は、日本教育工学会以外に、韓国教育工学会、米国で開かれた国際会議AECT( Association for Educational Communications and Technology)、SITE(Society for Information Technology and Tearcher Education)で口頭発表した。 また、DST制作実践のために、DST制作方法紹介ビデオ、DST制作用マニュアル、教員用eラーニングコースの開発は進んでおり、実用化されているものが増えており、三重県内だけでなく、全国でDST制作実践を進める教員が増えてきている。また、韓国や中国などの東アジアの研究者や学生に本研究で開発したDST制作モデルや制作支援技法を紹介することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度に引き続き、以下の研究に取り組む。 (1) 大学授業での「自分へのデジタル手紙」「未来に残したいもの」DST制作実践、(2) 中学校授業での手紙DST制作実践、(3) DST制作を授業で生かすインストラクショナルデザイン研究、(4) DST授業のふり返り、授業デザインの検証、(5) 大学生及び教員対象のe-Learning手紙DSTコースの活用、(6) 海外の研究者へ本研究成果の発信 (1)(2)のDST制作実践は、2012年度に具体的に実践・研究成果が表れてきたので、そのデータを整理し、学会投稿論文にまとめていく。その際、(3)(4)に挙げたことをもとに、分析・考察する。(5)のe-Learning手紙DSTコースは、学生や教員が幅広くオンライン学習できるようにさらにコース内容を改善していく。(6)については、特に、韓国及び中国の研究者を対象に、本研究成果を広めていく。 本研究ではの成果は、我が国の教育工学会だけでなく、国際会議AECTやSITEで口頭発表する。また、学会論文として年度内に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費は、国内学会だけでなく、米国で開かれる国際会議SITEやAECTでで、研究成果を口頭発表する。 備品・消耗品費は、デジタルストーリーテリング実践のためのコンピュータ、データ整理、サーバ構築・管理のために使用する。
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Research Products
(6 results)