2011 Fiscal Year Research-status Report
デジタルペンとマインドマップを用いた小学校における論理的思考力の育成
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23501162
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
永井 正洋 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (40387478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70117696)
貴家 仁志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40157110)
北澤 武 首都大学東京, 公私立大学の部局等, 准教授 (80453033)
渡邉 雄貴 首都大学東京, 公私立大学の部局等, 助教 (50570090)
加藤 浩 放送大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80332146)
福本 徹 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (70413903)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | デジタルペン / マインドマップ / 協調学習 / エキスパート / 論理的思考力 / 小学校 / 授業実践 / テレビ会議システム |
Research Abstract |
近年,日本の子供たちの論理的思考力の低下が指摘されている.そこで本研究では,児童にデジタルペンとマインドマップを用いた協調学習を行わせるとともに,テレビ会議により遠隔地のexpertからの指導を加えた.expertの指導により,協調学習以上に児童が妥当性のある意見文を書けるようになると考えた. 【研究の方法及び結果と考察】 平成23年6月1日から7月13日まで都内公立小学校第5 学年3学級,94 名の児童を対象に全15時間の授業実践を行った.児童には,授業の前後に問題文に対する400 字程度の意見文を書かせた.問題文は「藤原流200字意見文トレーニング(藤原和博)」から一部表現を改変し4問を出題した.また,意見文を書くにあたっては,事前にMMを描き,その後に意見文を書かせた.そしてexpertの指導による児童の書く意見文への効果を調べた.ここで,本研究では,論理的思考について,「自分の主張に対して効果的な根拠を記述する能力」(高橋ほか)とし,授業実践後に事前意見文と事後意見文について,妥当な根拠の数の比較などの分析を行った.児童の意見文を分析した結果,授業後に教員が妥当と評価した根拠の数が増えたことが分かった.更に,expertの参加の有無による違いについて分析を行った結果,事前意見文に妥当数の差は見られないが,事後意見文において有意な差が見られた.次に,事前意見文に当初書かれていなかった根拠が事後意見文に新たに現れた表現だけをカウントし,expertの参加の有無で分析したところ,expertが参加した場合で有意に平均値が高いことが分かった. 【まとめ】 以上より,デジタルペンシステムとMMを用いること,そして遠隔地のexpertによるリアルタイムの適切な助言が,児童が具体的な根拠を用いて意見文を書くことに有効であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では,児童の意見文に含まれる妥当な根拠の数をカウントすることにより,授業後,意見文がより論理的な文章になっていることがある程度確認された.しかし,具体的にどのような働きかけが児童の意見文に効果的なのかをあまり明確にすることができなかったので,今後,追究したい.
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Strategy for Future Research Activity |
【平成24 年度以降の研究推進方策】平成24 年度以降の研究は、平成23年度の進捗状況を勘案して次のように行う。●新たな研究協力校または研究協力学級(以下新研究協力校)で授業実践(4、5 月)を行う。【永井】【上野】【北澤】●平成23 年度の成果と課題を精査して指導計画を修正し、対象児童を変えて実施する。【北澤】【渡辺】【加藤】【福本】平成24 年度以降の授業実践は主に以下の1~4の観点で評価を行う。なお、中間報告及び最終報告としてまとめられた内容は、日本教育工学会論文誌やGlobal Learnなど国際会議で発表する。【永井】1.対象児童を変えた場合の効果【貴家】2.expert を元小学校教員で教職歴のある大学教員以外にした場合の効果【北澤】3.足場かけとしてのexpert 参加の授業回数を2 回(4 単位時間)から、増やした場合の効果【北澤】4.児童に課す問題を変えたり、与える順番を入れ替えての検証【貴家】
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以下にあげる経費は、下記の通り本研究の各所と密接に関わり、円滑な研究遂行に全て欠かせないものである。特に、研究結果の一般性や客観性を高めたり、「現在までの達成度」で述べたような研究課題を明らかにするために、研究フィールドを増設していくことは重要であり、そのため本年度以降も引き続き必要となる。【設備備品】:デジタルペンシステムは、リアルタイムでの情報の共有ができるため、本研究における協調学習を進めていく上で必要である。更に、本研究では授業実践を行う教育機関が小学校であり、発達段階からみても、デジタルペンは児童にとって機器操作に関する認知的、心理的負担が解消されるので利用価値が高い。ノートPC は、協調作業支援システムへのアクセス及び様々なデータ解析のため必要である。大型スクリーンは、多くの児童がデジタルペンで記述したものを同時に閲覧することができるので必要であり購入する。【消耗品】:各種ソフトウエアは、分析及び授業実践のために購入する。【旅費】:学会参加のための旅費及び、小学校や大学でのフィールド調査に係る経費である。また、国際会議にて研究成果を発表するための渡航に係る経費である。【謝金】:フィールド調査の補助やアンケート調査の処理の補助に係る経費である。【その他】:研究成果を印刷・製本する際の経費及び、郵便や宅配など通信に係る経費である。
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Research Products
(5 results)