2012 Fiscal Year Research-status Report
プログラムによる計測・制御の仕組みを学ぶための初学者向き可視化教材の開発
Project/Area Number |
23501163
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松浦 敏雄 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40127296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 通雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30227847)
西田 知博 大阪学院大学, 情報学部, 准教授 (00283820)
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Keywords | プログラミング入門 / 計測・制御 / 可視化教材 / 情報教育 / 学習支援ソフトウェア |
Research Abstract |
昨年度は、我々のグループで開発した初学者向きプログラム学習支援環境PENにArduinoを制御するための仕組みを組み込んだが、PENに新たな機能を追加するためには、予め決められたクラスを記述する必要があった。今年度は、この機能追加の際に、任意のクラスを記述できるように、より汎用的な機能拡張の仕組みを組み込んだ。これに伴って、Arduinoを制御するための仕組みを再構築した。また、このシステムを利用して授業を実施するための教材も再度見直し、新たなコースウェアを作成した。 また、Arduinoがなくてもプログラムの作成・デバッグができるように、Arduinoシミュレータを作成した。これによって、多人数のクラスでもハードウェアを何人かで共有することが可能となり、授業の適用範囲が広がった。 この教材を利用して、実際に大阪学院高校の情報の授業で実験授業を実施した。受講者は3年生15名であり、100分授業を2回実施した。受講者へのアンケート調査の結果、70%以上の生徒が「授業は面白かった」、「授業内容はほぼ理解できた」と回答したことから、授業への関心度も理解度も概ね満足できるものであったと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の24年度の計画では、制御のための言語、シミュレータの詳細設計・実装と、コースウェアの詳細設計を行うことが目標であったが、これらの目標は概ね達成できた。さらに、当初25年度の計画であった実験授業も一部実施できたので、この部分は予定以上に順調に進捗している。しかし、学習者自ら抽象化できる仕組みを用意できていない点は、進捗がやや遅れている点である。総合的にはおおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、再度実験授業を実施し、本システムおよび教材の問題点を精査し改善に努める。また、英語版、中国語版も用意し、本システムの利用範囲を広げるとともに、国際会議で発表することで、多くのコメントを活用し、より有効なシステム・教材を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は2月および3月に参加を予定していた研究会に、スケジュールの都合により参加できなかった。このために配分していた経費に余剰ができたが、これについては、次年度に同種の研究会への参加費として、活用したい。
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