2012 Fiscal Year Research-status Report
地域教育としての防災ワークショップ手法の改善と普及に関する研究
Project/Area Number |
23501236
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
村山 良之 山形大学, 教育実践研究科, 教授 (10210072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 浩司 山形大学, 教育文化学部, 教授 (40292403)
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Keywords | 国際研究者交流 / ネパール |
Research Abstract |
2010年度末に発生した東日本大震災による被害調査結果をまとめて,論文や学会発表を行った。また,学校の被災と対応に関する調査を継続して行った。さらに,代表者が大震災前に防災教育に関わった防災教育(仙台市立北六番丁小学校,同校卒業生在学の仙台市立五城中学校)の効果検証についての論文をまとめた。 これらもふまえて,実践に取り組んだ。学校においては,①2012年度を通して石巻市立鹿妻小学校における4年生の総合的な学習「復興マップづくり」(約20校時)について東北大学,国際NGOセーブザチルドレンとともに支援して取組み,さらに②2013年1月,山形市立第五中学校の1年生を対象に,学年集会での講義(2校時)と家庭科授業(2校時)を担当教諭と共同で実践を行った。③鶴岡市教育委員会の防災教育アドバイザーとして,防災管理を主なテーマとする教員向け研修会を計4回,学校訪問を9校を行って,各校ごとに避難訓練の視察,防災マニュアルへの助言,教員向け研修,児童向けの講話などを行った。④その他に,山形県内や宮城県内において,教員向けおよび生徒対象の講演等を複数回行った。(以上は代表者)⑤この他,代表者,分担者ともに,学校教員,町内会や一般市民向けの講演等を複数回行った。 ネパールにおいては,①2012年5月にセティ川最上流域の崩壊と下流域の土石流災害発生をふまえて,当初の予定を変更し,同流域および近隣流域における子ども向けのワークショップ形式の防災教育実践を計画することとし,次年度の実施に向けて,代表者と分担者は2012年10-11月に予備的調査を実施し実践協力の学校を選定した。分担者は,②2012年12月カトマンドゥのトリブヴァン大学において,大学院生対象の地すべり防災に関する実習を含む講義を昨年度に続いて実施し,また③活断層に関するブリーフィングを日本大使と国際赤十字関係者に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の実践については,石巻市立鹿妻小学校においてこれまでと異なる視点でのワークショップを実施することができ,また鶴岡市教育委員会への支援を通して学校現場や教員への働きかけができるなど,当初の計画を上回るほどの進展状況と考えられる。 ネパールにおいては,2012年5月の災害発生をうけて,当初の計画を変更したため,学校における実践が遅れることとなった。しかし,分担者によるその他の取組は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
国内においては,石巻市立鹿妻小学校における前年度の取組が高く評価されて,2013年度は総合的な学習のメインテーマとして,より多数の時間をかけて取組を行うことになっている。また,鶴岡市教育委員会との取組が2013年度も継続することとなり,2013年度は児童生徒向けの防災教育の充実をテーマとすることになっている。その他に,学校や町内会への支援を行う中で,本研究課題に沿った取組を行う計画である。 ネパールにおいては,前年度に選定した学校において,土砂災害または土石流災害を想定した児童生徒向けの防災ワークショップを行う計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
防災ワークショップの実践(日本,ネパール)に関わる旅費と消耗品,ワークショップとアンケート入力を含むアルバイト雇用,さらに成果報告の旅費に使用する計画である。
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Research Products
(11 results)