2012 Fiscal Year Research-status Report
東北地方日本海沿岸地域における湖沼堆積物を用いた歴史時代の環境変遷復元
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23501239
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80239855)
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Keywords | 湖沼堆積物 / 歴史時代 / 環境変遷 / 東北地方日本海沿岸 / 環境同位体 / 火山灰編年 / 人為的インパクト |
Research Abstract |
今年度は,青森県十三湖における調査を中心に行った.調査対象地域に関する文献や自然環境データの収集を行うとともに,関係研究者からも情報収集を行った. 月には,現地調査を行った.十三湖において, 箇所で堆積物コアを採取するとともに 箇所で 湖底表層堆積物を採取した.十三湖は最大水深が2m程度で底質も広い範囲で泥質であるため,最大で3mのコアを採取する事ができた.現在,採取した試料について分析を行っているところである. 調査に当たっては,弘前大学と東北大学の研究者からの協力が得られた.弘前大学の大学院生の協力を得て,堆積物の珪藻化石についても分析を行うことになった. また,新潟県佐渡市の加茂湖について予察調査を行った.すでに加茂湖の漁業協同組合に調査許可を得,調査に使用する漁船についても交渉を行った.また,調査対象地域に関する文献や自然環境データの収集を行った.佐渡は中世から近世にかけて金銀山で栄えた地域である.対象となる加茂湖の流域には,鉱山はなかったようだが,佐渡島の歴史的な経済状況の変化に伴って土地利用が大きく変化したことが示唆された.今後古地図や歴史史料等も収集して,堆積物の解釈に役立てる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,当初,新潟県の加茂湖と新潟平野湖沼群の調査を行う予定であったが,弘前大学と東北大学の研究者の研究者から協力を得られる事になったため,予定を変更して,青森県十三湖で調査を行った.それに伴って,新潟県の加茂湖と新潟平野湖沼群の調査は25年度に行う予定である.すでにその準備作業は行っている.採取した試料に対する分析は,一部,現在も進行中である.より,効率的に進行することを検討したい.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初計画以下のように変更して研究を進めていく.具体的な各年次の推進方策は,以下のとおりである.平成25年度は,新潟県佐渡加茂湖と新潟平野湖沼群,平成26年度は,秋田県浅内沼において,平成23年度,平成24年度に高田平野頸城湖沼群および青森県十三湖において行ったのと同様の現地調査を行う予定である.採取した試料についても,平成23年度と同様の分析を順次行い,歴史史料の収集分析は,各地域平行して行っていく. 平成26年度は,このほかに補足的な野外調査を行うとともに分析作業を終了させる.最終的に得られた成果は,国内・国際学会で発表するとともに,研究成果をとりまとめ,報告書を作成する.研究が当初計画どおりに進まない時には,研究対象の湖沼を少なくすることを検討するが,現在のところ,その予定はない.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度予算の残額は,約4万円であり,無理に0にすることはしなかった.そのまま,次年度に有効に活用する予定である.概ね,当初計画通りに研究を遂行する予定なので,研究費に関しても,計画通りに使用する予定である.特に,来年度は調査旅費として研究費を使用したいと考えている.学外に研究協力者を得ることを予定しているので,研究協力者の旅費として使用する予定である.
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