• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

腫瘍細胞の休眠化機構を特徴づけるマイクロRNAの同定と機能解析

Research Project

Project/Area Number 23501268
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

下野 洋平  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90594630)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords乳がん / 休眠状態がん細胞 / マイクロRNA
Research Abstract

本研究では、ヒトの乳がん組織をより正確に反映するモデルとしてヒト乳がん異種移植マウスを作成し、その原発巣または転移巣から休眠状態にあるがん細胞を分離し解析することを目指している。これらの目的を達成するために、本年度は下記の実験を遂行した。1. ヒト乳がん異種移植マウスの樹立:ヒト乳がん異種移植マウスを作成するために、同意の得られた乳がん患者の手術検体を収集し、マウスの乳腺領域に移植したヒト乳がん異種移植マウスを作成している。現在までに35症例以上を移植し、4系統のヒト乳がん異種移植マウスを作成した。2. ヒト乳がん異種移植マウスにおける転移巣の検索:樹立された異種移植マウスを解析することにより、組織染色やセルソーターにより、肺転移巣におけるがん細胞の同定を行った。 3. セルソーターを用いた微量がん細胞検出法の検討:ヒト乳がん異種移植マウスの肺転移巣に含まれるがん細胞は、通常少量であることから、これらのがん細胞をより正確に検出できる方法について検討を行った。4. 休眠状態がん細胞の検出法の検討:Hoechst 3342やPyronyn Yなどの染色を用いて、がん組織より休眠状態がん細胞を検出する方法について検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

神戸大学医学部附属病院の協力により、年間35症例以上のヒト乳がん手術検体を収集し、免疫不全マウスに移植することができた。ヒト乳がん組織は、マウスに生着し腫瘍形成を確認するまでに三か月以上を要するが、現在までに、すでに4系統の異種移植マウスを樹立した。また、セルソーターを用いて、転移巣からがん細胞を分離し、休眠状態がん細胞を解析する手法について検討し、実際にマウスに移植したヒト乳がん組織を用いて解析することが技術的に可能になった。

Strategy for Future Research Activity

樹立されたヒト乳がん異種移植マウスの原発巣および肺転移巣より、休眠状態がん細胞を純度が高い状態で正確に同定することが、今後休眠状態を特徴づけるマイクロRNAを検索し同定するためには必須である。これまでの解析を踏まえ、休眠状態を特徴づけるがん細胞の同定のために、DNAおよびRNAの量に加え、細胞周期制御に関わるタンパク質の発現量も指標にして、より純度の高い解析を目指すよう計画を変更した。この計画変更に伴い生じた次年度使用額は、分離したがん細胞における細胞周期制御に関わるタンパク質の発現量の検討およびマイクロRNA発現プロファイルの解析に使用する。さらに、がん細胞株なども活用しながら、セルソーターを用いて休眠状態がん細胞を分離する手法の検証をさらに進める。分離同定された休眠状態がん細胞を用いて、リアルタイムPCR法などのスクリーニング手法を活用し、マイクロRNA発現のスクリーニングを行い、休眠状態がん細胞を特徴づけるマイクロRNAの同定を行う。さらに、同定されたマイクロRNAの標的遺伝子の解析、マイクロRNA発現による細胞周期への影響の解析、およびマイクロRNAを発現発現させたヒト乳がん細胞の腫瘍形成能の評価を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上述した研究実績を踏まえ、平成24年度は、休眠状態がん細胞の分離同定およびがん細胞の休眠状態を特徴づけるマイクロRNAの同定を進める。1. 休眠状態がん細胞の分離・同定:樹立されたヒト乳がん異種移植マウスの原発巣および転移巣のがん細胞をセルソーターにて解析し、休眠状態にあるがん細胞を分離・同定する。また、分離された細胞について細胞周期制御に関わるタンパク質の発現量の比較検討を行う。2. 休眠状態がん細胞を特徴づけるマイクロRNAの検索:分離された休眠状態にあるがん細胞とそれ以外のがん細胞におけるマイクロRNAの発現プロファイルを比較することにより、休眠状態がん細胞を特徴づけるマイクロRNAの同定を行う。3. 休眠状態を特徴づけるマイクロRNAの標的遺伝子の検索:ルシフェラーゼアッセイ法などを用いて、同定されたマイクロRNAにより発現が制御される遺伝子の検索を行う。

  • Research Products

    (7 results)

All 2012 2011

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ヒト乳がん幹細胞-特性と幹細胞制御機構2011

    • Author(s)
      南 晶洋、下野 洋平
    • Journal Title

      実験医学増刊 がん幹細胞-ステムネス、ニッチ、標的治療への理解

      Volume: 20 Pages: 3247-3253

  • [Journal Article] 治療標的としてのヒト乳がん幹細胞2011

    • Author(s)
      南 晶洋、下野 洋平
    • Journal Title

      Bio Clinica 6月号 特集「癌幹細胞(CSC)」

      Volume: 26 Pages: 34-38

  • [Journal Article] Single-cell dissection of transcriptional heterogeneity in human colon tumors.2011

    • Author(s)
      Dalerba P. et al.
    • Journal Title

      Nature Biotechnology

      Volume: 29 Pages: 1120-1127

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 遺伝子発現解析からみたヒトがん幹細胞の幹細胞性2012

    • Author(s)
      下野 洋平
    • Organizer
      平成23年度 文科省がん支援活動・厚労省対がん10カ年研究合同公開シンポジウム(招待講演)
    • Place of Presentation
      東京・学術総合センター
    • Year and Date
      2012年1月30日
  • [Presentation] MicroRNA Regulation of Human Breast Cancer Stem Cells and Normal Stem Cells2011

    • Author(s)
      下野 洋平
    • Organizer
      第9回日本臨床腫瘍学会学術集会(招待講演)
    • Place of Presentation
      横浜・パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2011年7月22日
  • [Presentation] がん幹細胞理論と肺がん2011

    • Author(s)
      下野 洋平
    • Organizer
      第52回日本肺癌学会総会(招待講演)
    • Place of Presentation
      大阪・大阪国際会議場
    • Year and Date
      2011年11月4日
  • [Book] がんの浸潤・転移-臨床と基礎-2011

    • Author(s)
      下野 洋平、信谷 健太郎、高井 義美
    • Total Pages
      241
    • Publisher
      南山堂

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi