2013 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄FPD・CRT・プリント配線板等からの有用金属リサイクル技術の開発
Project/Area Number |
23510105
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 哲哉 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60286698)
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Keywords | リサイクル技術 / 有用金属 / レアアース / FPD / LSI / MEMS / CRT / プリント配線板 |
Research Abstract |
平成25年度は、PDPパネル、MEMS、LSIからの有用金属リサイクルと、リサイクルInの応用可能性の検討を行った。 廃棄PDPパネルガラス粉末を、HCl水溶液に溶解・ろ過し、直流電圧を1.5、2.0、4.0 Vで段階的に増加させて電気分解を行った。1.5 V、2.0 Vで得られた析出物はGd、Yであり、4.0 VではGdCl3の可能性が高いことがわかった。 LSI、MEMSをパッケージごと粉砕した後、HCl/HNO3水溶液(王水)に浸漬し、含有金属を溶解・ろ過して処理溶液を調製した。LSI、MEMSからの処理溶液の酸化還元電位の測定結果から、AgCl4の含有を確認した。これらの処理溶液を、直流電圧2.5~3.5 Vで電気分解を行い、Auの析出を確認した。また、LSI、MEMSからの析出物のAu濃度が、それぞれ、95 wt.%、0.6 wt.%であった。 リサイクルInと市販In2O3、SnO2を用いてInCl3とSnCl2を調製し、これらのエタノール溶液を噴霧・焼成し、ガラス基板上にリサイクルITO薄膜を形成した。可視光透過率は60%程度、抵抗率は約1×10-3 Ω・cmであり、透過率は市販原料で形成したものよりも小さかったが、抵抗率は同等であった。 本研究期間を通して、酸化還元電位、段階的電気分解、結晶構造解析などを検討し、PDP・LCDパネル、CRT、プリント配線板、MEMS、LSIなどの廃棄物から、In、Ag、Au、Cu、Bi、Pb、Sb、Tb2O3、Yb、Y2O3、Eu2O3、Eu3O4の回収を可能にした。各種酸処理と段階的電気分解により、レアアース、貴金属の分離・回収の高い可能性を示したこと、リサイクル金属の応用可能性を実証したこと、などに本研究の意義・重要性がある。今後、回収・リサイクル装置の設計・製作、連続処理プロセスの構築、最適化などが必要である。
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Research Products
(4 results)