2013 Fiscal Year Annual Research Report
食品油脂廃棄物をメタンエネルギーに資源化するオゾン併用省エネ型嫌気好気法の開発
Project/Area Number |
23510109
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
山崎 慎一 高知工業高等専門学校, 環境都市デザイン工学科, 准教授 (60290821)
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Keywords | UASB / DHS / 油脂廃水 / オゾン処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小規模事業場における廃水処理対策の推進を目指して、その処理過程で排出され、処理・処分で問題となるグリストラップ油脂廃水を省エネかつ効率的に処理し、また、メタンエネルギーとして再資源化する新規な廃水処理システムを開発することである。具体的には、生物難分解性の油脂成分をオゾンで前処理をして高級脂肪酸の毒性を軽減させた後、省エネ型嫌気好気法(UASB-DHS法)で後処理を行い、その有機成分からメタンエネルギーを効率的に回収する方法を実験的に検討する。この研究の成果は、公共用水域の水質改善、地球温暖化の防止対策、省資源・省エネルギーの推進、廃棄物処分問題の解消に大いに貢献するものであり、技術的・社会的な意義は非常に高い。しかし、この油脂廃水の処理にはオゾン処理が注目されているが、その分解メカニズムや供給条件に不明な点が多い。そこで、高知工業高等専門学校学生寮の食堂厨房施設のグリストラップ内から採取した油脂廃水を原水として使用し、平成25年度も24年度に継続してオゾン-UASB-DHS室内装置による連続実験を行い、処理性能を評価した。その結果、油脂分解性を高めるために原水のオゾン処理温度を30℃程度へ加温を試みたが、処理水中のノルマルヘキサン抽出物質濃度は下水道放流基準の30mg/L以下を安定して満足する値を得ることができず、CODcr容積負荷を3kg/m3・日程度以上に上昇させることはできなかった。研究全体の結果として、本システムの実用化には油脂分解性能をさらに安定化させるための検討が必要という課題が残されたが、油脂分解へのオゾン処理の効果や条件が確認できたことや、その有機成分の分解によって発生したメタンガスの含有率はおおむね60%程度以上であったことなどから、油脂廃水からエネルギーを再資源化できるシステムとして有効性を確認することができた。
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Research Products
(8 results)