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2012 Fiscal Year Research-status Report

大規模人工市場シミュレーションによる金融市場のシステミックリスク分析

Research Project

Project/Area Number 23510167
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

松井 啓之  京都大学, 経営学研究科, 教授 (90272682)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小野 功  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00304551)
森 直樹  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90295717)
KeywordsU-Mart / 仮想市場 / マルチエージェント / シミュレーション / 金融市場 / システミックリスク
Research Abstract

本課題ではリーマンショックやギリシャ危機などに見られる金融市場における大規模な価格の暴落を市場システムと取引戦略との複合系における創発的特性によるシステムとしてのリスク(システミックリスク)と捉え、このリスクについて市場制度の忠実なモデル化を行っている人工市場システムU-Martを多銘柄システムに拡張し、キャンパスグリッドやスーパーコンピュータなどを活用したエージェントベースドシミュレーションにより、その特性を明らかにしようとするものである。さらに、人間をプレイヤーとするゲーミングシミュレーションを並行して実施することにより、行動経済学および実験経済学の知見を踏まえ、実際に人間が取り得る行動を観察することで、エージェントベースドシミュレーションの分析を補完する。
平成24年度には、東京証券市場の取引システム(東証Arrows)の開発者へのヒアリング調査等を実施し、多銘柄至上および様々な金融制度の実装を可能としたU-Mart Ver.4システムの改良を中心に研究を実施し、現実の市場取引により近いシステムへの拡張を図った。さらに、9月に大規模なヒューマン実験(U-Mart 2012)を開催し、ゲーミングを用いて実際に人間がプレイした状況での問題発見過程から得られた知見をU-Mart Ver.4システムの開発へ活かすことが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成24年度には、現実の市場取引システムの制度をU-Mart Ver.4システムに実装し、改良を行った結果、より優れたシミュレーション環境を構築することができた。
さらに、9月に大規模なヒューマン実験を実施し、ゲーミングを用いて実際に人間がプレイした状況での問題発見過程から得られた知見をU-Mart Ver.4システムの開発へ活かすことが出来た。
しかしながら、スーパーコンピューターでの大規模シミュレーションを十分に実施できなかったことから、表記の評価とした。

Strategy for Future Research Activity

本年度は構築されたシステムを用いて取引エージェントの進化的手法による開発を本格化させる。取引エージェントは利益追求の取引機会の検出、金融資産リスクの評価とポートフォリオへの分散投資、価格急変時のリスク回避のためのポートフォリオ調整など、実際の証券取引における行動戦略に配慮し、利益追求など自明でない部分で進化的手法を利用することでシミュレーションにおけるエージェント構成の妥当性を追及する。 進化的手法としては、これまでの申請者の研究の蓄積から、遺伝的プログラミングや多目的遺伝的アルゴリズムなどの枠組みを選んで適用する。進化的計算には手元のパーソナルコンピュータのほか、必要に応じて東京工業大学の TSUBAME、京都大学の T2K スーパーコンピュータなども活用し、新たな知見を得ることを目標とする。。
今後、U-Mart Ver.4システムの完成へ向け、安定化と処理性能の改善、ゲーミング実験を踏まえたヒューマンインターフェイスの改良など引き続き保守を進めるとともに、システムを公開し内外の研究者に提供するための多言語対応やマニュアル等の整備などの文書化を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

開発したU-Mart Ver.4システムを用い、東京工業大学のTSUBAME、京都大学のT2Kスーパーコンピュータなども活用し、システミックリスク分析へ向けたシミュレーションを中心に実施するため、計算機使用料およびシミュレーション結果保存用のストレージ
を予算計上している。
さらに、研究打ち合わせのための旅費、ゲーミングシミュレーション実験のための謝金等を計上している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] U-Mart を用いた実市場における板ダイナミクス の解析2012

    • Author(s)
      秋元圭人,森直樹,松本 啓之亮
    • Journal Title

      日本シミュレーション&ゲーミング学会誌

      Volume: 22巻1号 Pages: pp.137-145

    • Peer Reviewed
  • [Remarks] U-MartプロジェクトWebページ

    • URL

      http://www.u-mart.org/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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