2013 Fiscal Year Annual Research Report
品質指向ソフトウェア開発プロセスを支援する統計分析手法の開発と改善
Project/Area Number |
23510189
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 光宏 法政大学, 理工学部, 教授 (20263486)
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Keywords | ソフトウェア開発支援 / ソフトウェア品質 / ソフトウェアテスト進捗管理 / 多変量解析 / 構造方程式モデル / GMDH / コピュラ |
Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年度であり,研究題目に挙げたソフトウェア開発プロセスを支援する統計分析手法の開発と改善については,ここまでの成果を,ソフトウェア開発支援ツール(以下,ツールと呼ぶ)として既に活用されている「SafeMan」に対して,形ある改良点として実装された.これには研究協力者の存在が不可欠であった.ソフトウェアツールの活用法については,特にソフトウェア開発管理の実務家からは,ツールから読み取るべき情報が既往のツールでは分かりにくいという指摘,また誤ったツールの使い方などの問題点があったが,これについての解決法としてまとめた学術論文を,前記の研究協力者と共に出版することができた. ソフトウェアツールの改善と共に,ソフトウェア開発過程から得られる,多変量データを解析する新しい手法として,コピュラ(接合関数)に基づく数理モデルを第2年度から開発し,いくつかの研究会等で発表した.従来の多変量確率分布における変量間の依存性を,本モデルではより容易にソフトウェア信頼性評価モデルの記述に取り込むことができるという点で,有用な方法であると言える結果が得られた.これについては,今後の研究計画の一つの柱となる予定である. 3年間に渡る研究成果全体については,まず初年度においては,それ以前に継続して行っていた関連研究をいくつかの場において発表し,その研究成果であったソフトウェア信頼性評価モデルの改善などに関する批評を受けつつ,それを本申請研究の基盤として進めた.具体的には,従来では単純な多変量重回帰モデルによって記述されてきた,ソフトウェア開発の質に影響する多変量データを,構造方程式モデル(SEM)により記述し直すことで精度が向上することを示すことができた.第2年度はGMDHによる多変量モデルの改善,2チームによるソフトウェアテストの場合の信頼性評価方法などを開発した.
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