2013 Fiscal Year Annual Research Report
冬季北部九州玄界灘を対象にした,非降水雲に対する人工降雨の基礎的技術の開発
Project/Area Number |
23510228
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇水 健次 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00240903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 浩司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20264070)
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Keywords | 人工降雨 / 液体炭酸 / 氷晶 / 対流雲 / 層状雲 |
Research Abstract |
1.はじめに 科学的な人工降雨実験が開始されて半世紀以上経過した現在,まだ,満足する結果が得られていない.そこで,著者らは,効率の良い「液体炭酸人工降雨法」をユタ大学と共同で開発し,1999年2月2日に世界で初めて実験に成功した.本稿では,新たに得られた実験結果を報告する. 2.代表実験例(2013年12月26日) 気象条件は,気圧の谷の影響下にあり,雲は2層で,1層目の雲は,雲厚1500m(雲底1500m,雲頂3000m)で,2層目の雲は5500m以上の高度に存在していた.この実験領域は,佐賀県呼子の東側(糸島半島の南西側)で,13時35分から45分の10分間,高度約2600m(-4℃)に対し,液体炭酸を3度撒布(6分間)した.撒布量は計約4kg,撒布率は約11g/sであった.その結果,撒布した雲は,13時50分には雲頂が盛り上がり,3400~3500m程度まで発達し,その後,発達しながら東北東の方向に進行し,レーダー観測の結果,糸島半島を通過後,撒布約1時間後の14時40分には宗像市付近を通過した.宗像市付近の地上で人工効果と考えられる降水が確認された.その後も,降水域を拡げながら撒布後1時間30分の15時10分まで確認された. 以上の結果から1)撒布から長時間にわたり,雲内部で人工氷晶が成長できる環境が維持された.過去実施した対流雲(積雲)での実験と同様な結果が得られた.2)今まで,実験対象は対流雲だけと考えてきたが,層状雲にも適用できることが判明した. これらの結果は,アメリカ気象学会,アメリカ地球物理学会,日本気象学会や水文水資源学会等で発表している.その上,「液体炭酸人工降雨法」に関しては,NHKTVの「ニュース9(2014年1月17日放映)」「NEWS WEB(2013年8月21日放映)」,「ためしてがってん(2013年7月14日放映)」等にも紹介されている.
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Research Products
(14 results)