2013 Fiscal Year Annual Research Report
在日ビルマ人ネットワーク形成をめぐる複合的研究―歴史的背景と日韓の実態比較
Project/Area Number |
23510324
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
根本 敬 上智大学, 外国語学部, 教授 (90228289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宣 元錫 大阪経済法科大学, アジア太平洋センター, 研究員 (10466906)
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Keywords | 東南アジア / ビルマ(ミャンマー) / 在外ビルマ人 / 在日ビルマ人 / 在韓ビルマ人 / 在豪ビルマ人 / 移民・難民受入政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は「在日ビルマ人を中心とする在外ビルマ人社会のネットワーク形成の特徴と、その在り方を決定する要因について明らかにすること」にある。 そのために、まずは「ビルマ人の越境要因」の歴史的背景を理解すべく、共同研究者の宣元錫と研究協力者の梶村美紀がビルマ(ミャンマー)での調査に取り組み、関係者や関係団体への聞き取りと資料収集に取り組んだ。一方、研究代表者の根本敬は旧宗主国の英国に行き、British Libraryを中心に、英領期におけるビルマ人の海外渡航実態と、国内に形成された英系ビルマ人社会の特徴に関する史料調査を推し進めた。そのうえで戦後に英系ビルマ人の多くが英国やオーストラリアに移住した背景要因について分析した。 続いて、在外ビルマ人社会のネットワーク形成の特徴をつかむために、比較の視点を重視し、宣と梶村は在日ビルマ人に対する聞き取り調査を実施、そのなかで少数民族諸コミュニティに対する調査も行い、それぞれの特徴比較を試みた。両名はまた、在韓ビルマ人コミュニティに対する調査も実施し、貴重な成果を得た。根本はオーストラリアのメルボルンとシドニーに形成されたビルマ人移民社会の調査を担当し、2000年代以降急速に増えたビルマ出身の諸民族コミュニティについて、彼らの移住要因や過程、オーストラリアへの同化レベルに関する分析を聞き取りを中心におこなった。 日韓豪それぞれにおけるビルマ人移民コミュニティの相互比較にあたっては、それら3か国の移民・難民受け入れ政策の特徴把握とその比較が重要であり、そのことについてもメンバーは細心の注意を払った。本研究の成果は論文集としてまとめ、2015年度に上智大学アジア文化研究所から出版する予定である。
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Research Products
(8 results)