2011 Fiscal Year Research-status Report
ノモンハン事件をめぐる中ソ、中モ関係についての研究
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23510325
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
ボルジギン 呼斯勒 東京大学, 総合文化研究科, 学術研究員 (40600193)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 国際情報交流 / モンゴル / 中国 / ロシア / 満洲国 / ノモンハン / ハルハ河 / 国際関係 |
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| Research Abstract |
本研究は、ハルハ河・ノモンハン戦争（ノモンハン事件）をめぐる中ソ、中モ交渉の真相を明らかにすることを目的とする。2011年度は初年度として、ロシアの国立社会政治史文書館、モンゴル国の国立中央文書館、モンゴル人民軍中央文書館、中国の内モンゴル自治区文書館と台湾の国史館などの諸文書館でロシア語、モンゴル語、中国語の資料を収集したほか、モンゴル国領内にあるハルハ河戦場、タムサク・ボラグの旧ソ連軍の空軍基地、中国領内のハイラル、ガンジュル廟などの地域の日本軍の旧軍事施設について調査をおこなった。これらの現地調査によって、これまで研究者によりほとんど使われていない史料を収集し、ハルハ河・ノモンハン戦争とかかわる史料群の全貌を知ることができた。そのうえで、国際シンポジウム"ノモンハン・ハルハ河戦争と国際関係"（一橋大学、2011年9月25日）で「ノモンハン戦争における中ソ交渉」をテーマに報告し、台湾の国立政治大学でおこなわれた国際シンポジウム" Russia in Eastern Asia: the dialogue between Taiwanese, Japanese and Russian scholars"では、「諾門罕戦争与中蘇関係」という報告をおこなった。これらの報告のなかで、ノモンハン戦争当時の中華民国政府のソ連、イギリス、アメリカ、ドイツとの交渉を考察し、ノモンハンにおけるソ連・モンゴル連合軍と日本軍との戦いを拡大させるため、中国政府がいかにソ連、外モンゴル政府を説得しようとしたか、いかにイギリス、アメリカ、ドイツ政府にまで働きかけたか、中国の諜報員が満洲国でどのように情報収集活動をおこなったかなどについて、明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2010年まで、モンゴル国で実施した予備調査によって、同国の各文書館、研究者と協力関係をむすび、本研究の資料調査の基礎をつくった。そのため、2011年度には、関係諸国での調査を順調にすすめることができ、とりわけモンゴル、台湾での調査では、予想をこえた史料を発見し、収集することができた。また、二つの国際シンポジウムをとおして、日本・モンゴル・ロシア・中国などの国の研究者と十分意見を交換することができ、研究計画を予定どおり実施することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成24年には、内モンゴル・ノモンハン戦争研究所長徐占江などの研究者の協力を得て、中国のフルンボイル地域で現地調査を実施する。モンゴル国防研究所教授ミャグマルサンボーなどの協力を得て、モンゴル外務省中央文書館などの文書館およびドルノド県で現地調査を実施するほか、ノモンハン戦争に参加した人ひとから聞き取り調査をもおこなう。また、モンゴル、ロシアの同分野の代表的な研究者と意見の交換をする。その上で、日本語、中国語などの資料と対照しながら、これまで収集したロシア語、モンゴル語の諸資料を整理し、翻訳する。さらにモンゴル科学アカデミー、防衛研究所の研究者を招いて、ウランバートルでワークショップを実施し、それまでの研究成果を発表する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ノモンハン戦争関連図書、国際関係史・軍事史関係の図書費、貴重資料のコピー費など200,000円。モンゴル、中国での現地調査などのための海外旅費、日本国内の資料調査、学会参加のための国内旅費など500,000円。モンゴル、日本、中国の研究協力者（専門知識の提供、共同調査、資料翻訳）の人件費・謝金、ウランバートルでワークショップの開催費など200,000円。ハルハ河・ノモンハン戦争遺跡アルバムの作成費、その他100,000円。
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