2013 Fiscal Year Research-status Report
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23520008
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
村上 祐子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (80435502)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田部 俊介 京都大学, 文学研究科, 非常勤講師 (70379337)
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| Keywords | 論理学教育 / 非古典論理学 / 哲学的論理学 / 論理学の哲学 |
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| Research Abstract |
今回のプロジェクトでは、事前調査から、日本国内においては論理学の分野のうちとくに非古典論理学についてのニーズが高いことが判明したため、多値論理・様相論理・部分構造論理に関する教材プロトタイプを作成し、平成23年度・平成24年度には京都大学（通年および集中授業4回）と東北大学（半期）、平成25年度には京都大学（通年および集中授業8回）で授業試行を行った。その結果、論理学にすでに関心を持っている学生・若手研究者についてはさらに論理学の知見を共有することができたが、あまり論理学に関心を持っていない哲学分野の学生や研究者にどのように関心を喚起するかという点については今後の課題となった。
この教材開発の内容調査と専門家からのフィードバックの機会を兼ねて、論理学と周辺領域に関する公開研究会を平成23年度に2回、平成24年度に2回、主として英語で開催した。また、平成25年度には海外から来日中の研究者を招き、クローズドの英語による研究会を12月に1回開催し、2年8ヶ月間の成果を振りかえった。その結果、すでに申請済のように平成26年度への研究期間を延長することとなった。
成果公開となる学会発表は研究代表者と分担者を合わせて、平成23年度18回、平成24年度18回、また平成25年度については研究代表者が9回、分担者が8回の学会発表を行った。これには日本哲学会における論理学ワークショップも含まれている。
なお使用した開発教材に関してはresearchmap資料公開を通じて一般公開を行っている。また、一般市民へのアプローチとして、小学校1－6年生を対象とする学童保育において「論理学カフェ」相当の内容のイベントとして、「うそ」の性質についてのワークショップを行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
教材プロトタイプ開発については、各研究者ともそれぞれ教材を開発し授業実践を行ってきた。その結果、当初目標よりも対象を広げた教材の開発が進展した。
研究会開催を主として英語で行うこととしたため、日本国内在住の外国人研究者とのコミュニケーションが平常となり、海外からの研究者との協働もその延長で容易に行えた。とくに平成25年度については日本哲学会において英語開催のワークショップを行ったことで、哲学領域における非古典論理学の貢献および論理学の国際性を周知することに成功したと考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
初級論理学教材との整合性を高める方策が必要であるとともに、論理学への関心が薄い哲学分野の研究者・学生に対する興味関心を喚起する工夫が必要であることがあらためて判明した。平成26年度の研究期間延長の間に、哲学史における論理学の役割をとりまとめることにより、20世紀以降の哲学理論の進展で論理学が果たしてきた機能と、近年のような論理学が哲学コミュニティのごく一部に閉じたものとみなされがちである状況が哲学理論の発展そのものの障害となっていることを論証する必要がある。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に論理学教育に関する海外開催の国際学会に発表を申し込んだが不採択となり、平成25年12月の研究会でこれまでのプロジェクトの成果を踏まえて今後の方針の立て直しを行った。とくに問題となったのが、論理学への低関心層へのアプローチであった。その結果、平成26年度に研究期間を延長して哲学史を踏まえた論理学への導入教材の開発を行うこととなった。
論理学と哲学のインタラクションが発生した事情について、文献調査および実地調査を行うこととする。具体的には、イギリス・ブレッチリーパークにおけるチューリングの研究の状況調査、または、アメリカ・プリンストンにおけるゲーデルの研究状況調査を行う。
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