2012 Fiscal Year Research-status Report
環境思想の深化と強化-現代ドイツ実践的自然哲学研究
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23520023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山内 廣隆 広島大学, 文学研究科, 教授 (20239841)
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Keywords | ミュンスター大学 / ルートヴィヒ・ジープ / ミヒャエル・クヴァンテ / 実践哲学 |
Research Abstract |
本年度は以下の発表を講演という形で行った。研究は当初の予定と若干異なり、ジープの「行為論」など、哲学的な基礎の研究に重点を置いた。また、2013年2月にはジープを科研費で招待し、「ヘーゲルと現代倫理学」というテーマで講演してもらい、活発な議論を行った。その際、ヘーゲルの宗教観などに留意した。 ≪2012年度の講演≫ ・日本都市計画学会中国四国支部、2012年度特別講演会、2012年7月29日、広島市まちづくり市民交流プラザ6階マルチメディアスタジオ、講演タイトル「環境と哲学―環境を巡る哲学の旅―」・ 韓国プサンカトリック大学校、2012年度名士招請特別講演、2012年10月8日、プサンカトリック大学校、講演タイトル「3.11後を考える」・ 「文藝学校」第10回記念講演会、2012年10月28日、今井ブックセンター2F多目的ホール(米子市)、講演タイトル「哲学―時代を凝視する思索」・ 広島哲学会第63回学術研究発表大会、特別講演「哲学と私」、2012年11月3日、広島大学大学院文学研究科・ 日本カント協会第37回学会シンポジウム「カントと政治哲学の可能性」でシンポジストとして招待され、提題。講演タイトル「カントとヘーゲルにおける国家と宗教」、2012年11月10日、関西学院大学 ・ 日本ヘーゲル学会第16回研究大会、シンポジウム「ヘーゲル『大論理学』の意味について―カントの超越論的論理学との対立から」に提題者として講演。タイトル「イエナ―ヘーゲル哲学の揺りかご」、2012年12月22日、関東学院大学・関内メディアセンター
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の計画は、「3.11」以前に計画され、実践哲学の応用的部分の解明を中心にしていた。しかしながら「3.11」を経験し、若干その方向を修正した。なぜなら、3.11を受けて、ますますドイツ実践的自然哲学に代表されるドイツ的知の必要性は高まってきたが、それを理解するには、より哲学的機論に注目しなければならないと考えるに至ったからである。そのためには、「啓蒙思想をどう考えるか」という問題、「全体論をいかに評価するか」という問題など、ヘーゲルに由来する諸問題を、再度現代の状況の中で考えなければならなくなったからである。上述の講演もそういう観点から行われている。と同時に、プサンカトリック大学校で行った講演を基にした書かれた以下の論文も、ドイツの環境政策に占める実践的自然哲学の位置付けを哲学的に明確にしたものである。 ≪論文≫ 「3.11後を考える」 単著、2012.12、「政治哲学」第11号、政治哲学研究会、pp108-124 したがって、当初の予定から考えると停滞しているということになるかもしれないが、研究を全体的に見るならば、より深化していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、研究の方向は若干方向を異にしているが、確実にドイツ実践的自然哲学研究は深化している。今後もこの方向で強力に推し進めていきたい。今年2月に来日したドイツ実践的自然哲学の旗手、ルートヴィ・ジープ氏も心からの協力を約束しているので、ミュンスター大学と協力して進めていきたい。来年度は別の科研でミヒャエル・クヴァンテ教授を広島に招待し、共同研究を推し進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度は、ほとんどの科研費を旅費に使用し、研究連携を推し進める予定である。
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Research Products
(6 results)