2013 Fiscal Year Research-status Report
環境思想の深化と強化-現代ドイツ実践的自然哲学研究
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23520023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山内 廣隆 広島大学, 文学研究科, 特任教授 (20239841)
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Keywords | 実践哲学 / ルートヴィヒ・ジープ / ヘーゲル / 3.11以後 / カント / 和解 |
Research Abstract |
当該年度作成された論文は以下の二本である。・「ヘーゲルにおける国家と宗教」単著、2013.7.31、『日本カント研究』No.14、日本カント協会編、pp23-41・「イエナ―ヘーゲル哲学の揺りかご」単著、2013.12.20、『ヘーゲル哲学研究』vol.19、日本ヘーゲル学会編、pp99-110 当該年度の発表は以下のものである。・平成25年度夏期京都ヘーゲル読書会研究会例会、「ヘーゲルにおける国家と宗教」、2013年7月7日、京都教育文化センター 上述の二論文は日本カント協会と日本ヘーゲル学会の依頼に応じたものであるが、補助事業延長期間申請書に書いたように、「3.11「以後若干テーマを変更し、政治哲学的研究にシフトしたので、そのような内容を盛り込んだ内容になっている。口頭発表したものは、日本カント研究に掲載されたものとタイトルは同一であるが、内容はカントのみならずヘーゲルを踏まえ、さらに現代を展望するものになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的の若干の進化(3.11後を視野に入れたため)のために、「やや遅れている」にしたが、実はある意味ずいぶん進んでいると言える。なぜなら、ドイツ実践哲学を土台にした現代の研究において、ある程度未来の問題を照らし出すことが可能となったからである。それは一つには「国家と宗教」の関係へのアプローチの仕方であり、さらにはグローバリズムを超えていく方向に関わる。その方向性を平成26年度には、著作としてまとめることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
科研をいただいたことによって、多くの研究者と情報交換でき、思想的な深化を図ることができた。また、必要な書籍、用具なども購入できた。「3.11」という大震災によってテーマは若干変わったが、3.11以後、私たちが必要とする政治哲学的課題である「和解」についての基礎作業はほぼできたと思われる。これからはこの土台の上に、いかに具体的成果を獲得していくであると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
補助事業期間延長承認申請書はすでに学術振興会に受理承認されているが、そこに記したように、交付と相まって起こった3.11大震災によってテーマを若干変更し、ドイツ実践哲学のなかでもより政治哲学的要素が強くなった。そのために期間を一年間延ばさざるを得なかった。 現在のところ、八割方は研究打ち合わせのための旅費に使用する予定である。残る二割は書籍購入等に充てたい。
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Research Products
(3 results)