2012 Fiscal Year Research-status Report
日本で発見されたオリヤー語『マハーバーラタ』「津島貝葉」の校訂テキスト作成
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23520072
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
DASH Shobha 大谷大学, 文学部, 講師 (20460660)
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Keywords | Sarala dasa / Mahabharata / マハーバーラタ / オディアー語 / オリッサ / 津島貝葉 / Palmleaf manuscript / 貝葉写本 |
Research Abstract |
本研究は、愛媛県宇和島市津島町に残るオディアー語版『マハーバーラタ』の貝葉写本「津島貝葉」に関するものである。『マハーバーラタ』研究、とりわけその受容史の解明に有益である当該写本の校訂テキストの作成を中心とし、「津島貝葉」の異本の入手および「津島貝葉」を底本とした『サララー・マハーバーラタ』「森林章」第一部の校訂テキストの作成を目的としている。これらの目的を達成するために研究を進め、2012年度は、以下のような成果を得た。 (1) 2012年8月1日~4日まで北京の中国蔵学研究中心の主催で行なわれた第五回チベット学国際セミナーに参加し、サンスクリット部会で「Exploring Palm Leaf Manuscript Research: with a special reference to Odisha」という題名で研究発表を行なった。サンスクリット語『マハーバーラタ』と比べオディシャ―版の「地方マハーバーラタ」はどのように地方の伝統文化に染められた別のバージョンの『マハーバーラタ』になっているかを「津島貝葉」の研究を通して説明した。 (2)オディシャ―州立博物館所蔵より『サーララーマハーバーラタ』「バナパルバ」(森林章)の4本のデジタルデータを研究資料として入手した。これらを 「津島貝葉」の校訂テキスト作成に異本として用いる。 (3)海外研究協力者のDr. M. Maithrimurthi(ハイデルベルグ大学)とProf. U. N. Sahoo(ウトカル大学)と懇談し、2012年度に行なった研究内容を改訂した。さらに、出版レイアウト及び校訂のための正しい用語を確定するなど共同研究も行なった。 (4) 2013年2月16日にオディシャ―州知事によって当研究は認められ、栄誉を与えられた。その事は我々研究者にとって何よりの励ましであり、今後の研究に活力を与えてくれるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、宇和島市津島町に保存されている17世紀の初頭頃に書写され、江戸時代中期頃に日本に伝来したと思われているインド東部・オディシャー(オリッサ)州の『マハーバーラタ』の貝葉写本「津島貝葉」の異本の入手およびその校訂テキストの作成を目的としている。 この研究目的を達成するために、先ず「津島貝葉」の校訂本作成のために必要とする異本の選択とその入手は不可欠であった。そのため、オディシャ―州立博物館所蔵より『サーララーマハーバーラタ』「バナパルバ」(森林章)の4本のデジタルデータを研究資料として入手した。 2012年度内に海外研究協力者たちと打ち合わせをし、これから行なっていく研究方針について具体的な話しもできた。 2012年8月1日~4日まで北京の中国蔵学研究中心の主催で行なわれた第五回チベット学国際セミナーに参加し、サンスクリット部会で「Exploring Palm Leaf Manuscript Research: with a special reference to Odisha」という題名で「津島貝葉」の研究発表を行ない、国内外の研究者に公にした。 2013年2月16日にオディシャ―州知事によって当研究は認められ、栄誉を与えられた。その事は私たちにとって何よりの励ましであり、今後の研究に活力を与えてくれるものである。 以上のような理由により、当研究の目的を達成するために2012年度に行なった研究の達成度はおおむね順調に進展していると自己点検する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に行なった基礎作業をベースに写本の解読を遂行し、校訂テキストの作成に取りかかる。まずは、2012年度にオディシャ―州立博物館所蔵より入手した『サーララーマハーバーラタ』「バナパルバ」(森林章)の4本のデジタルデータを「津島貝葉」の校訂テキスト作成のため異本として用い、その文字解読およびローマ字入力は第一作業とする。校訂作業は、M. Maithrimurthi博士の助言に基づきDASH Shobha Rani(研究代表者)、DASH Anirban博士(海外研究協力者)、SAHOO Udaya Nath博士(海外研究協力者)が行なう。5本の異本のうち、研究代表者が2本、上記の海外研究協力者は各々1本ずつ担当する予定である。作業の進行状況により、必要であれば、作業従事者を増加/変更する。それぞれが担当した箇所を毎年少なくとも2回の読み合わせを行なった上で最終チェックをする。研究代表者は本研究に関わる全ての研究者と頻繁に連絡をとり、コーディネーターの役割も果たす。 2011年度に入手したチュービンゲン大学所蔵の異本の複写はデジタルデータではなく、マイクロフイルムからの複写になっているので、大部分において文字が不鮮明になっており、全く解読ができない箇所もある。そのため、2012年度中に一度チュービンゲン大学へ足を運び、実物の写本より文字解読を行う予定であったが、諸事情によりそれは実現できなかったため、2013年度にそれを再び試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度の主な研究費使用計画は以下の通りである。 (1) 2012年度にオディシャ―州立博物館所蔵より入手した『サーララーマハーバーラタ』「バナパルバ」(森林章)の4本のデジタルデータを「津島貝葉」の校訂テキスト作成のため異本として用い、その文字解読およびローマ字入力は第一作業とする。この作業に関して、海外研究協力者たちと会い、懇談を行なうことが必要とされる。 (2) オディシャ―州立博物館所蔵に「津島貝葉」と同系統の写本で西オディシャ―地方のものの存在の有無を確認し、異本として扱うためにそのデジタルデータを入手する予定である。 (3) 2011年度に入手したチュービンゲン大学所蔵の異本の複写はデジタルデータではなく、マイクロフイルムからの複写になっているので、大部分において文字が不鮮明になっており、全く解読ができない箇所もある。そのため、2012年度中に一度チュービンゲン大学へ足を運び、実物の写本より文字解読を行う予定であったが、諸事情によりそれは実現できなかったため、2013年度にそれを再び予定する。 以上のような研究方針のため、研究費の大部分は旅費、滞在費、謝礼金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)