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2012 Fiscal Year Research-status Report

王権祭式アシュヴァメーダの総合的研究:儀礼・思想・文学を横断する文化現象の解明

Research Project

Project/Area Number 23520074
Research InstitutionKyoto Bunkyo University

Principal Investigator

手嶋 英貴  京都文教大学, 総合社会学部, 准教授 (30388178)

Keywordsインド / ケーララ州
Research Abstract

平成24年度(本研究二年目)は、当初の計画にある通り、(1)アシュヴァメーダ「儀礼研究」の後半にあたる、アシュヴァメーダ本祭から終了までの式次第を対象に分析を行った。また、(2)儀礼研究の付帯資料となる『ヴァードゥーラ・シュラウタスートラ』第11章の新校訂テキストの作成を進めた。
上記の研究(1)では、アシュヴァメーダを記す各文献間にどのような伝承の異同があるかを、祭式の全体にわたって確認・整理した。ここで蓄積された知見は、最終的に儀礼研究の中心をなす記述研究としてまとめられる。また、アシュヴァメーダと並ぶ王権儀礼である「ラージャスーヤ」(王の灌頂式)との関係を、儀礼と思想の両面から検討した。両祭式の本格的な比較はこれまでなされていないため、本研究の成果がインド王権儀礼の構成について新たな視座を提供することになる。研究(2)の校訂テキスト作成は、全体のおよそ半分まで準備が進んだ。一方で、校訂版の序文を充実させるため重要情報であるヴァードゥーラ派の伝承史については理解が進んだ。南インド・ケーララ州に住むヴァードゥーラ派宗家「タラナネルール家」で伝承の歴史と現状を聞き取り、また関連写本の撮影を行った。以上の研究活動により、本課題の要である儀礼研究において、アシュヴァメーダに関する文献情報だけでなく、これまで看過されてきた他祭式との関係や、祭式伝承の保持者(インド現地のバラモン)の歴史・現状をも含む、広汎な知識を提示する準備が整ってきた。
当初の研究計画において、平成24年度は国内外の学会等で主要な研究成果を報告するとしていた。それを踏まえ、国内学会一回のほか、海外での報告については授業等学内業務の日程と折り合わなかったため、それに代わる成果報告を、国内開催の国際シンポジウム(英語発表)において行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成23~24年度における本課題の中心部「アシュヴァメーダ儀礼研究」については、予定通り進捗した。英文原稿の作成とネイティブチェック、またそのうち主要な研究成果の公表も、ほぼ予定されたペースで行うことができた。
ただし、儀礼研究の付帯資料として位置づけられる『ヴァードゥーラ・シュラウタスートラ』第11章の新校訂テキストについては、作成作業が若干遅れている。当初の研究計画では、平成24年度に校訂テキスト全体の準備と英訳を終えるよう見込んでいた。しかし中核の儀礼研究に労力を注いだ結果、校訂テキスト作成に予定通りの時間を取ることが出来ず、対象テキスト全体のうち、およそ半分の校訂を進めるにとどまった(この部分の遅れについては、次項「今後の研究の推進等」に具体的対応を記す)。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では、平成25年度にアシュヴァメーダに関わる「思想研究」を、そして最終の26年度に「文学研究」を行うとしていた。以下に述べる事情から、この作業順序を入れかえたい。上記「現在までの達成度」の理由で述べたように、「儀礼研究」の付帯資料である『ヴァードゥーラ・シュラウタスートラ』第11章の新校訂テキストが完成していない。この新テキストは「思想研究」においても参考材料となることが見込まれるため、平成25年度にまず新テキスト準備を終わらせ、その成果を応用する形で26年度に「思想研究」をすすめることが適切な次善策であると考える(一方の「文学研究」は、予定より早く遂行しても差支えない内容のものである)。上記の理由から、平成25年度は、「儀礼研究」の付帯資料(新テキスト)の作成と、「文学研究」とを課題として遂行するよう、計画変更を行いたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主に以下の四項目で研究費を使用する予定である:
(1)アシュヴァメーダ「文学研究」に関わる資料(原典テキスト、翻訳、研究書等)の購入
(2)成果公表に向けて作成する英文論稿のネイティブ・チェック
(3)平成26年1月にインド・コジコーデ市で開催される国際学会・International Vedic Workshop 2014 参加費用(会費、渡航旅費等)
(4)インド・ケーララ州を中心とするアシュヴァメーダ伝承家系の現地調査。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] アシュヴァメーダの馬をめぐる祭式学的思考の展開: 祭式における「理念と現実の隔たり」をどう埋めるか2012

    • Author(s)
      手嶋英貴
    • Journal Title

      インド論理学研究

      Volume: 5 Pages: 301-320

  • [Presentation] 馬の放浪をめぐる表象と実際: アシュヴァメーダの馬は「一年間」放浪するか

    • Author(s)
      手嶋英貴
    • Organizer
      日本印度仏教学会第63回学術大会
    • Place of Presentation
      鶴見大学
  • [Presentation] Promotion system of Sacrificer’s Status in the Vedic Kingship Rituals: Comparison of the Rajasuya and the Asvamedha

    • Author(s)
      Hideki Teshima
    • Organizer
      The International Symposium “Consecration, Initiation, and Coronation Rituals in Ancient and Medieval India”
    • Place of Presentation
      Kyoto University
    • Invited
  • [Remarks] 手嶋科研課題

    • URL

      http://www.kbu.ac.jp/kbu/reseach_ex/h24/pdf/teshima.pdf

URL: 

Published: 2014-07-24  

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