2011 Fiscal Year Research-status Report
「京大文化史学派」の学問史的研究-民俗宗教史を中心として-
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23520080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 暁 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (80314277)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 京大文化史学派 / 文化史 / 宗教史 / 民俗学 / 西田直二郎 |
Research Abstract |
本研究は、戦前の京都帝国大学(以下、京大)文学部史学科の国史学教授・西田直二郎(1886-1964)とその門下生を中心として展開した「京大文化史学派」における民俗宗教史研究を、その理論的系譜、調査技法、資料集積過程、研究者ネットワーク、同時代社会との関連などを多角的に検討し、宗教学、歴史学、民俗学、文化人類学などの分野に多面的な影響を残した「京大文化史学派」の学問史的意義を具体的に解明することを目的とする。 平成23年度は、京都大学所蔵「民俗調査会」資料の整理分析を実施するとともに、大阪市立大学学術情報総合センター・新村文庫、新村出記念財団・重山文庫、京都大学附属図書館所蔵の旧国立民族研究所図書、京都大学文書館所蔵の西田直二郎関係資料、仏教大学宗教文化ミュージアム所蔵の西田直二郎関係資料、仏教大学附属図書館所蔵の竹田聴洲文庫、元興寺文化財研究所の仏教民俗資料などの資料調査を実施した。その成果の一端は、「<ことばの聖>ふたり―新村出と柳田国男―」(横山俊夫編2012『ことばの力―あらたな文明を求めて―』京都大学学術出版会)、「ミンゾクガクシャとしての新村出、あるいは、京都で読む民俗学史/人類学史」(2011、『民博通信』135)として発表した。 このほか、京大文化史学派の民俗調査に関連する再訪調査として、奈良県奈良市上深川・八柱神社の題目立、滋賀県大津市坂本・酒井神社のおこぼ神事などのフィールドワークを実施した。このデータは現在、整理・分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料調査が順調に進行していること、フィールドワークが順調に進行していること、資料の所持者や民俗行事の保存団体等と良好な協力関係を築きつつあること等をふまえると、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、当初計画の通り、引き続き、京大所蔵資料の整理分析、関連機関所蔵資料の調査分析、関連する民俗行事のフィールドワークの三点についての作業を進める予定である。調査地として、成城大学民俗学研究所所蔵柳田文庫、九州大学文学部梅垣文庫、愛知県設楽町田峯田楽、同県鳳来町鳳来寺田楽などを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成城大学民俗学研究所所蔵柳田文庫、九州大学文学部梅垣文庫での資料調査、愛知県設楽町田峯田楽、同県鳳来町鳳来寺田楽でのフィールドワークなどを予定している。このため、調査旅費ならびに資料複写費、調査協力者等への謝金、記録媒体等の諸雑費が必要である。このほか、関連図書の購入費が必要である。
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Research Products
(1 results)